油井さん、今夏以降に2度目のISS長期滞在へ

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宇宙飛行士の油井亀美也さんが今年7月以降に国際宇宙ステーションに長期滞在することが発表された。2015年以来2度目のISS滞在となる。

【2025年3月31日 JAXANASA

国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在に向けて訓練中のJAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんたち4名の宇宙飛行士が、今年7月以降に打ち上げ予定の宇宙船「クルードラゴン」11号機(クルー11)に搭乗することが決定した。

油井さんたち
クルードラゴン11号機への搭乗が決まった油井さんら4名の宇宙飛行士。(左から)油井さん、NASAの宇宙飛行士Zena Cardmanさん、ロスコスモスの宇宙飛行士Oleg Platonovさん、NASAの宇宙飛行士Mike Finckeさん(提供:NASA

今回の宇宙飛行は油井さんにとって2015年7月のISS長期滞在以来で、10年ぶり2度目となる。油井さんたちは現在、ISS長期滞在に向け訓練や試験などの準備を進めている。先週油井さんは、船外活動を支援するスーツの着用などに関する知識や技量の試験を受け無事合格したほか、ISSへ物資を輸送する補給船を把持する訓練を実施し、その際に発生した不具合にも素晴らしいクルーと協力して対応できたと、自身のXに投稿している。

新型宇宙船「ドリームチェイサー」の把持シミュレーション訓練を行う油井さん
(左)貨物輸送も担う米・シエラ・スペース社の新型宇宙船「Dream Chaser(ドリームチェイサー)」をロボットアームで把持するシミュレーション訓練を行う油井さん。(右)シミュレーション画面に映るドリームチェイサー(提供:Sierra Space

なお、ISSには現在大西卓哉さんが滞在しており、二人は一緒にISSで活動することになる。日本人飛行士が同時にISSに滞在するのは、2021年の野口聡一さんと星出彰彦さん以来、4年ぶり3回目となる。

当初油井さんたちは米・ボーイング社の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」への搭乗も検討されていたが、同宇宙船は昨年実施した初の有人飛行試験で不具合が発生し、ISSから無人での地球帰還を余儀なくされた。NASAとボーイング社では、今後数か月かけて問題を解決し、今年末から来年初めに次の飛行を実施する予定としている。

《油井さんのコメント》

この度、クルードラゴン宇宙船運用11号機への搭乗が決まりました。これまでの自分の経験や訓練の成果を十分に発揮して、自分自身はもちろん、多くの皆様方にとっても、実りの多い搭乗となるように努めたいと思います。今回の長期滞在ミッションに向けては、十分な時間をかけて訓練と準備ができています。長期滞在でも大きな成果を出し、皆様方のご期待に応えられるように全力を尽くしますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。