油井さん2度目の宇宙へ

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宇宙飛行士の油井亀美也さんが2024年ごろに国際宇宙ステーションに長期滞在することが発表された。油井さんの宇宙飛行は2015年に続いて2度目となる。

【2023年6月19日 JAXA

宇宙飛行士の油井亀美也さんが2024年ごろに国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在することが決定した。

2009年にJAXAに入社した油井さんは2011年にISS搭乗宇宙飛行士として認定され、2015年7月に自身初の宇宙飛行を行った。その際には12月まで計142日にわたってISSに滞在し、様々な実験やロボットアームを使った船外実験装置の設置を実施した。また、日本人として初めて宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」の把持も行った。

16日の記者会見で、油井さんは次のようにミッションへの意気込みを語った。「ISSという場所で未来を明るくするためにミッションをこなすという、たいへん重要な役目にご指名をいただき、光栄ですし嬉しく思っています。最初のミッションでは、多くの方々にお世話になるばかりでした。今度は、1回目の飛行の経験を生かして、できることはなんでもやりたいというくらいの気持ちで、なるべく多くの方々に恩返しがしたいと思っています。また、日本の方々が日本という国を好きになって、自国を誇りに思ってくれるように、日本人代表として、人類の未来のためにがんばっているところをしっかり見せて成果を残せるよう、ミッションにのぞみます」。

油井亀美也さん
記者会見に米・テキサス州ヒューストンからオンラインで参加した油井さん(提供:JAXA)

6月16日に行われた「国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在搭乗員に係る記者会見」の録画(提供:JAXA)

《宇宙航空研究開発機構 山川宏理事長談話(抜粋、要約)》

油井宇宙飛行士は、2015年に自身初となる宇宙飛行を行い、142日間のISSでの長期滞在において、様々な運用や宇宙実験を遂行しました。これらの実績は、昨年11月に日本政府として2030年までのISS運用延長の参加が表明される中、現在と将来にもつながるISS「きぼう」の実験・運用環境の礎ともなっています。

油井宇宙飛行士のISSでの活動を通じて、未来を担う若者の挑戦心を刺激し、課題を解決し社会に貢献する様々な成果の創出や、月探査を通じた人類のフロンティアの拡大へと、さらに発展させていきたいと考えております。

■ 油井さんの略歴
  • 1992年4月:防衛庁(現 防衛省)航空自衛隊入隊
  • 2009年2月:JAXAよりISSに搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として選抜される
  • 2009年4月:JAXA入社。ISS搭乗宇宙飛行士候補者基礎訓練に参加
  • 2011年7月:同基礎訓練を修了。大西卓哉さん、金井宣茂さんとともにISS搭乗宇宙飛行士として認定される
  • 2012年10月:ISS第44次/第45次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命される
  • 2015年7月~12月:ISSに142日間滞在。日本人初の「こうのとり」のキャプチャを遂行。「きぼう」船内に新たな利用環境を構築するとともに、21に及ぶJAXAの利用実験活動を実施
  • 2016年11月~2023年3月:JAXA有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット宇宙飛行士グループ長