「あかつき」の金星周回軌道への投入成功

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JAXAは、12月7日に実施された探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入が成功したと発表した。

【2015年12月9日 JAXA

12月7日、「あかつき」は姿勢制御用エンジンを噴射し、金星周回軌道への投入が実施された。その後の軌道の計測と計算を行った結果、「あかつき」が目標とした軌道を飛行しており、状態が正常であることが確認された。

「あかつき」は現在、約13日14時間の周期で金星の自転方向と同じ方向に周回している。金星に最も近づくときには高度400km、最も遠ざかるときには44万kmと、非常に細長い楕円軌道だ。

エンジン噴射の数時間後に撮影された画像には早くも、研究者たちを興奮させる未知の構造などがとらえられている。今後は軌道を修正すると共に、搭載している6つのカメラのテストや初期観測を行い、来年4月ごろから定常観測を開始する予定となっている。

1μmカメラで撮影された金星
約6万8000kmの距離から1μmカメラで撮影された金星。これまでで最も精細な近赤外グローバル画像で、画像処理すると深い部分の雲の構造も浮き上がらせることができる(提供:JAXA、以下同)

紫外イメージャで撮影された金星
7万2000kmの距離から紫外イメージャで撮影された金星。これまでで最も精細な紫外グローバル画像で、二酸化硫黄など硫酸雲の形成に関わる化学物質がどこでどのように湧き上がってくるのか、どう運ばれるのかがわかる

中間赤外カメラで撮影された金星
7万2000kmの距離から中間赤外カメラで撮影された金星。これまでで最も精細な熱赤外グローバル画像で、雲の温度がわかる。南北に走る帯状構造など、これまで知られていなかった構造が見えている

5年越しの再挑戦に成功したことで、「あかつき」は日本初の「地球以外の惑星を周回する人工衛星」となった。「あかつき」の目的は、金星に吹き荒れる高速風「スーパーローテーション」の仕組みを解明したり金星の雲の発生メカニズムを調べたり、雷や地表の活火山を探したりすることである。今後の活躍に大いに期待したい。

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