19の系外惑星系の名称決定 日本からも4案採用
国際天文学連合(IAU)は昨年から、太陽系外の惑星系に名前をつけるキャンペーンを実施してきた。このキャンペーンではまず、20の惑星系に対して事前登録した団体が名称案を応募した。その案の中から、世界182の国と地域から寄せられた57万票以上の投票によって名称を決定し、一部の変更を加えたうえでIAUが承認した。
日本からも多くの団体が名称案を提案し、その中から4案が採用されている。この4惑星系については、いずれも岡山天体物理観測所の口径188cm反射望遠鏡で発見されたものだ。
- いるか座18番星:主星「Musica」/惑星「Arion」
提案団体:徳島県立城南高等学校科学部 - おうし座ε星:惑星「Amateru」
※主星には従来から「Ain(アイン)」という名前があるため、主星名は提案対象外
提案団体:呉市かまがり天体観測館 - おおぐま座HD 81688:主星「Intercrus」/惑星「Arkas」
提案団体:岡山アストロクラブ - わし座ξ星:主星「Libertas」/惑星「Fortitudo」
提案団体:法政大学学生団体Libertyer(リバティア)
このほか、みなみのうお座のフォーマルハウトの惑星は「Dagon」、5つの系外惑星が見つかっているかに座55番星は主星が「Copernicus」、惑星が「Galileo, Brahe, Lippershey, Janssen, Harriot」などと命名されており、19の系について14の恒星名と31の惑星名が採用された(1つの系は不備があったため不採用、また5つの恒星名は上記アインのようにすでにあるため対象外)。
〈参照〉
- 国際天文学連合: NameExoWorlds
- 国立天文台: 国際天文学連合「太陽系外惑星命名キャンペーン」一般投票最終結果
〈関連リンク〉
- 日本天文協議会: 惑星系に名前を!太陽系外惑星系に名前をつけよう
- 系外惑星エンサイクロペディア: http://exoplanet.eu/
- 星ナビ.com こだわり天文書評:
〈関連ニュース〉
- 2015/10/19 - 系外惑星命名キャンペーンの投票は11月1日まで!
- 2015/08/26 - 太陽系外惑星に名前を!一般投票スタート
- 2014/12/09 - 団体登録の締め切り迫る!系外惑星系の命名提案
- 2014/07/28 - 系外惑星に名前を付けよう IAUが登録呼びかけ
- 2014/03/17 - 系外惑星の命名プロセス、一般参加募集へ
関連記事
- 2024/11/09 千年の時を超えて「#道長と同じ月を見上げよう」
- 2024/09/11 ホットジュピターの内側で、公転が大きく変動するミニ海王星
- 2024/07/29 「灼熱の土星」型の系外惑星で大気から水蒸気の証拠を検出
- 2024/06/18 想定外の軌道を持つ「ミニ海王星」を発見
- 2024/05/30 ローマン宇宙望遠鏡の系外惑星観測用コロナグラフが準備完了
- 2024/05/27 宇宙生命探査の鍵となる「太陽系外の金星」を発見
- 2024/05/21 超低温の赤色矮星で2例目、地球サイズの系外惑星を発見
- 2024/04/18 植物の排熱が地球や系外惑星に及ぼす影響
- 2023/12/05 共鳴し合う6つ子の系外惑星
- 2023/08/02 蒸発する惑星が引き起こす「しゃっくり」
- 2023/07/28 巨大惑星に収縮する前の塊、若い星の周囲で発見
- 2023/07/27 次々見つかる浮遊惑星、天の川銀河に1兆個以上存在か
- 2023/07/14 公式ブログ:ペガスス座51番星系で新星座を考える
- 2023/05/25 火山活動の可能性がある地球サイズの系外惑星
- 2023/04/21 アストロメトリと直接撮像の合わせ技で系外惑星を発見
- 2023/04/04 「ケプラー」発見の天体で最も近い地球型惑星
- 2023/01/17 光合成の蛍光から系外惑星の生命を探す
- 2022/12/22 低密度の系外惑星、「煮えたぎる海洋惑星」か
- 2022/12/20 地球型惑星の大気は強い紫外線に負けない
- 2022/09/13 低温星のハビタブルゾーンで地球型惑星を発見