金井さんがISSから帰還
【2018年6月4日 JAXA】
6月3日18時16分(日本時間、以下同)、金井宣茂宇宙飛行士たち3人が搭乗したソユーズ宇宙船(53S/MS-07)が国際宇宙ステーション(ISS)から離脱し、エンジン噴射を行って大気圏へ再突入した。その後ソユーズはパラシュートを開いて降下し、21時39分に無事カザフスタン共和国に着陸した。
昨年12月17日からの168日間にわたるISS長期滞在を終えた金井さんは、ソユーズから抱え出されながら元気に手を振って笑顔を見せていた。
日本人宇宙飛行士としては通算8回目となったISS長期滞在中、金井さんは医師としての経歴を活かし、高品質たんぱく質結晶生成実験やアミロイド繊維結成実験などを実施した。
また、今年2月に実施された、日本人宇宙飛行士としては4人目となる船外活動では、6時間にわたるロボットアームの部品交換の作業にあたった。さらに、4月のドラゴン補給船のISS到着に際してロボットアームを使った補給船の把持を実施した他、5か月半の滞在期間中に超小型衛星の放出作業や交信イベントなども行ってきた。
金井さんは今後、アメリカ経由で6月中に帰国する。重力に慣れるためのリハビリの様子を公開するほか、7月下旬にはミッションの報告会も行う予定となっている。
《宇宙航空研究開発機構 山川宏理事長談話(一部抜粋)》
本日、国際宇宙ステーションでの長期滞在を終えた金井宇宙飛行士が、ソユーズ宇宙船にてカザフスタン共和国に無事帰還いたしましたことを大変嬉しく思います。金井宇宙飛行士は、医師であるバックグラウンドを活かし、ミッションテーマである「健康長寿のヒントは宇宙にある。」の下、数多くのミッションを確実に遂行しました。特に、アルツハイマー型認知症や糖尿病の発症の要因のひとつとして知られるアミロイド線維の宇宙実験では、アミロイド線維が形成する条件の探索に成功し、線維が伸長する機構解明への道筋をつけました。また、国連宇宙部との連携協力(KiboCUBE)第1号となるケニアの衛星を含む、3機の超小型衛星の放出の実施や日露首脳会談でロシア飛行士とともに両国首脳と交信を行うなど、金井宇宙飛行士のISS長期滞在を通じて、ISS計画が国際協力・協調の成功例であることや、その中で日本が欠かせない存在であることを世界へ発信しました。帰還後は、滞在中に得た経験を、2019年から2020年に長期滞在を控える野口宇宙飛行士、星出宇宙飛行士につなげるとともに、ISS・「きぼう」等の地球低軌道利用の拡大や、月探査などの国際宇宙探査の技術開発・国際協力に反映していくことを期待しております。
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