ハッブルの修理終了、観測再開は4か月後

【2009年5月20日 NASA News (1) / (2) / (3) / (4)

スペースシャトル「アトランティス号」によるハッブル宇宙望遠鏡(HST)の修理ミッション(STS-125)が完了し、HSTはロボットアームから切り離された。機器の試験や調整を経て、約4か月後には観測を再開する予定だ。


(5回目、ミッション最後の船外活動を行う宇宙飛行士 John Grunsfeld氏の画像)

5回目、ミッション最後の船外活動を行う宇宙飛行士 John Grunsfeld氏。クリックで拡大(提供:NASA)

(アトランティス号のロボットアームから切り離されたHSTの画像)

アトランティス号のロボットアームから切り離されたHST(NASA Televisionの動画から切り出した静止画)。クリックで拡大(提供:NASA)

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の最後の修理ミッション(STS-125)における最後(5回目)の船外活動が、米国東部時間(以下同)5月18日15時22分(日本時間19日4時22分)に終了した。

7時間2分に及んだ船外活動では、バッテリーモジュールとファイン・ガイダンス・センサー(FGS)の交換などが行われた。

FGSは、基準となる星をとらえ続けることで望遠鏡の向きを固定するための、一種の観測装置である。今回は3つあるFGSのうち、劣化していた1つが交換された。

船外活動による修理を終えて、HSTはアトランティス号のロボットアームによって貨物室から持ち上げられ、切り離された。その後、地上からの指令信号でHSTの主鏡と副鏡の覆いが取り外された。

HSTの修理ミッションは、今回が5回目であり、最後である。5回で合計36時間56分にわたった船外活動によって、2つの機器が修理され、2つの機器が新たに設置され、いくつかのハードウェアが取り換えられるなど、予定されていた作業が無事完了した。

今回の修理ミッションによって、HSTの寿命は少なくとも2014年まで延びるとみられている。試験や調整を経た約4か月後、観測を再開する。

一方、修理作業を行った宇宙飛行士らを乗せたアトランティス号は、5月22日10時3分(日本時間23時3分)に地球へ帰還する予定だ。