ALMA計画:日本のアンテナが山頂へ移動開始

【2009年9月24日 国立天文台 ALMA

国際望遠鏡プロジェクトであるアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA、アルマ)では、干渉計を構成する80基のアンテナのうちの第1号として、日本で製造されたアンテナが標高2,900mにある山麓施設から標高5,000mの建設地へ移動を開始した。


(標高2,900mの山麓におけるアンテナの移動の様子)

標高2,900mの山麓施設におけるアンテナの移動の様子。クリックで拡大(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))

(ALMAの完成予想図)

ALMAの完成予想図。移動台車を用いてアンテナの配置を変えることができる。クリックで拡大(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))

ALMAは、日米欧による国際プロジェクトだ。2010年の完成時には80基のパラボラ・アンテナが標高5,000mのアタカマ砂漠に並び、可視光では観測することができない分子ガスやダストを詳細に調べることができるようになる。

その建設地に、いよいよ日本で製造されたアンテナ(直径12m、重さ100t)が専用の台車で移動を始める。

ALMA計画で使用されるアンテナや観測装置は、まず標高2,900mにある山麓施設で組み立てや試験が行われる。これは、標高5,000mの高地では、海抜0m地点と比べて酸素濃度が半分しかなく、人間の作業がひじょうに難しいからだ。山麓施設での性能試験に合格したアンテナは、専用の移動台車で標高5,000mの山頂へ移動される。

最初のアンテナが到着した後は、次々と性能試験に合格したアンテナが山頂に運ばれ、2012年からALMAの本格的な観測が始まる予定だ。