板垣さん、きりん座の銀河に超新星2010kpを発見
【2010年12月10日 VSOLJニュース(257)】
山形の板垣公一さんが12月8日、きりん座の暗い銀河に超新星2010kpを発見した。
VSOLJニュースより(257)
超新星を捜索する人は、多数の銀河をひとつずつ撮影し、過去の画像と比較するという作業を行っています。ところで、目標としている銀河の近くに、別の銀河が写っている場合があり、そこでの超新星も見逃さないようにしたいところです。今回発見された超新星2010kpは、そうやって発見されました。発見したのは、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さん、先週も超新星2010kiを発見された(2010/12/6 「板垣さん、うお座に「や座WZ型矮新星」と超新星2010kiをあいついで発見」参照)、大活躍中の天体捜索者です。
板垣さんは、12月8.505日(世界時、以下同様)に60cm反射望遠鏡でNGC 1485銀河を撮影した画像上で、南の視野ぎりぎりに写っている暗い銀河「2MASX J04034059+7045116」に、17.9等の新しい光点を見つけました。光点の位置は以下のとおりで、母銀河の中心から西に8秒角、北に4秒角にあたります。
赤経 04時03分38.85秒 赤緯 +70度45分15.7 秒(2000.0分点) 超新星2010kpの周辺星図
この位置はきりん座にあたり、一晩じゅう地平線上にありますが、NGC 1485を狙った画像では視野の端に近く、最近撮影した画像では視野の外だったとのことで、いつ頃増光したのかはよくわかりません。天体は、板垣さん本人が9.373日に、また宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さんが9.353日に確認しています。
超新星2010kiは、極大を過ぎたばかりのIa型超新星であると判明しています。今回の超新星2010kpがどのような超新星であるか、今後のフォローアップ観測が待たれます。
超新星2010kpの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
また、ステラナビゲータから新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる「板垣さんが発見した超新星」と「日本人が発見した超新星」も公開しています。あわせてお楽しみください。