赤外線天文衛星「あかり」が運用終了
【2011年11月25日 JAXA】
2006年に打ち上げられ数々の科学的成果を挙げた赤外線天文衛星「あかり」の運用が24日に終了した。6月に科学観測を終了した後、運用終了に向けた準備が行われていた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月24日、電力異常により6月に科学観測を終了した赤外線天文衛星「あかり」の運用終了を発表した。同日午後5時23分に「あかり」からの電波発信を遮断させるコマンドを送信した。
「あかり」は、2006年2月22日に鹿児島県・内之浦から打ち上げられ、日本初の赤外線天文衛星として、目標寿命3年を超えて活躍し続けた。
恒星の周りで惑星が作られつつある原材料、一生の終わりに近づいた巨星が吐き出す塵、数十億光年先の銀河など、宇宙のさまざまな姿を照らし出す“あかり”となり、2010年3月にはその観測データをもとに約130万天体に及ぶ「赤外線天体カタログ」も作成された。
今年5月に電力異常が生じ、翌月には科学観測終了が発表されたが、10月には「あかり」による世界最大の小惑星カタログが公開された。「あかり」が残したデータから、今後も新たな研究成果が生まれることが期待される。
「あかり」の後継機として、赤外線天文衛星「SPICA」プロジェクトが2018年打ち上げを目指して計画されている。