「こうのとり」3号機、大気圏に突入しミッション終了
【2012年9月14日 JAXA(1)/(2)】9月18日更新
9月14日午後2時半ごろ、日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機が大気圏に突入しミッションを無事完了した。
日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機は今年7月21日(日本時間、以下同)に打ち上げられ、同月28日に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングした。その11日前には星出彰彦さんがISSでの長期滞在を開始したばかりで、日本の輸送機と日本人宇宙飛行士の、初の宇宙での“対面”となった。
ISSで使用する実験装置などを運び出した後、代わりに不用品を搭載した「こうのとり」は、9月13日0時50分ごろにISSを離れた。3度の進路変更で高度を下げ、14日午後14時27分ごろ大気圏に突入し、通信が途絶えた。
今回は、大気圏突入時のデータ収集実験も実施されている。大気圏に突入する宇宙機が燃え尽きる様子や、部品がどのように散らばるかを把握することで、落下海域の予測精度を高めたり、大気圏に突入する機体をより柔軟に設計するのに役立てられたりする。
再突入データ収集装置(i-Ball)は、バラバラになっていく「こうのとり」の機体から飛び出し、収集したデータを衛星通信で日本に送る。「こうのとり」が破壊される様子を撮影するという初の試みもあり、もし撮影が成功すれば14日深夜に画像が公開される予定だ。
9月18日追記
i-Ballが撮影した「こうのとり」3号機の速報画像が14日公開された。そのうち3枚は「こうのとり」の中から船内を撮影したもの、2枚は分解していく「こうのとり」から飛び出した後にカプセル後方カメラで撮影したものだ(画像2枚目と3枚目)。
i-Ballは14日午後3時3分ごろチリ西方沖の南太平洋に着水したことが確認され、所定のデータが正常に送られてきているという。