散開星団に見つかった2つの系外惑星
【2013年7月1日 CfA】
これまでに発見された約900個の系外惑星の中で、星団の中に存在するのはたったの4個しかない。密集する星からの放射などにより、星団は惑星形成には過酷すぎる環境と考えられてきた。だが3000光年彼方の散開星団から、その考えを覆すような惑星が新たに2つ見つかった。
すべての恒星は他の星とともに集団で生まれる。太陽のように少数の群れで生まれすぐに離れ離れになってしまうものがほとんどだが、星が密集した大集団が数十億年にもわたって存続しつづけるものもある。こうした星団の中では星がひしめきあい、強い放射と激しい恒星風にさらされているため、およそ惑星が生まれるような環境には思えない。
実際、従来見つかっている系外惑星のうち、星団の中に存在するのはたったの4つだけだった。
そのような珍しい環境下に存在する、新たな系外惑星が見つかった。NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」の観測で発見されたのは、はくちょう座の方向3000光年彼方の散開星団NGC 6811(6.8等)にある2つの恒星を巡る惑星だ。
これまでに見つかっていた星団中の系外惑星はすべて木星以上の質量だが、今回見つかったケプラー66bとケプラー67bは大きさが地球の3倍以下で、質量も小さいとみられる。また、恒星の手前を惑星が横切るときのわずかな減光から惑星の存在を知る「トランジット法」により星団中の惑星が見つかるのも初めてのことである。
散開星団は距離や年齢が正確に把握しやすく、その中にある惑星についても多くの情報を得られる。今回の研究ではNGC 6811の年齢をおよそ10億年と求めており、発見された2つの惑星は年齢、距離、サイズが正確に判明している希少な惑星となる。星団中の恒星の数から考えると、散開星団中の惑星の存在頻度やその特徴は、星団などに属さない恒星の周囲に見られる惑星と変わりはないことが示唆されるという。
「こうした惑星は極限微生物みたいなものです。今回の発見で、過酷な環境でも小型の惑星が作られ、10億年以上生きのびることが可能だと証明されたんです」(発表者、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのSøren Meibomさん)。
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