行方不明のデニング・藤川彗星を36年ぶり再発見

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【2014年6月20日 CBET 3908】

東京都の佐藤英貴さんが6月17日、長らく行方不明となっていたデニング・藤川彗星(72P)を36年ぶりに検出した。1978年に藤川繁久さんが再発見した後、9年ごとの回帰でも観測されていなかった。


36年ぶりに検出されたデニング・藤川彗星(72P)

36年ぶりに検出されたデニング・藤川彗星(72P)(画像中央)。クリックで投稿ギャラリーページへ(撮影:佐藤英貴さん)

東京の佐藤英貴さんが、6月17.8日(世界時。日本時間18日4時ごろ)に豪・サイディングスプリングのリモート望遠鏡で撮影した画像から、長らく行方不明となっていたデニング・藤川彗星(72P)を16.8等で検出した。彗星は現在くじら座に位置し、やや集光した直径25"のコマが見られるが、尾はとらえられていない。

デニング・藤川彗星は、近日点距離およそ0.8au(金星軌道の外側)、遠日点距離8.4au(木星軌道と土星軌道の中間)の軌道を持つ公転周期が約9年の彗星だ。1881年にイギリスのデニングが発見して以来行方不明となっていたが、1978年10月9日に香川県の藤川繁久さんが再発見し、デニング・藤川彗星と名付けられた。この再発見は彗星が一時的に明るくなった(バーストした)ためとみられている。

すぐに暗くなった彗星は再び見失われ、9年ごとの回帰でも出現することはなかったが、佐藤さんにより36年ぶりに検出された。

注:「彗星の検出・再発見」 本記事のタイトルでは「再発見」としているが、今回の観測は、厳密には「検出」(予測をもとに掃索・観測)と称される。

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