木星の大赤斑がさらに縮小、形・色にも変化
【2015年10月20日 HubbleSite】
大赤斑の縮小はここしばらく速い割合で進んできたが、最近の変化は長期的な傾向と一致しているという。大赤斑の色は赤というよりもオレンジ色に近く、いつもは色が濃い中心部分にはっきりとした違いが見られない。
大赤斑には、その渦の幅ほぼ全体に及ぶ、普段は見られない細いフィラメント状の特徴が現れている。10時間(木星の自転周期分)の間にフィラメントには回転やねじれが見られ、秒速150m以上の暴風の影響で形が変わっている。
さらに木星の北赤道縞では、謎のかすかな波が見つかった。これは数十年前に一度だけボイジャー2号によって観測されたものだ。波は北緯16度付近の低気圧と高気圧が点在する領域にあり、非常に見えにくい。似たような波は、地球では「傾圧波」と呼ばれ、低気圧が形成される際に大気中に時々現れる。波は雲の下で発生したとみられ、上層に伝わってきたときだけ見えるようになると考えられている。
〈参照〉
- HubbleSite: Hubble's Planetary Portrait Captures New Changes in Jupiter's Great Red Spot
- The Astrophysical Journal: FIRST RESULTS FROM THE HUBBLE OPAL PROGRAM: JUPITER IN 2015 論文
〈関連リンク〉
- HubbleSite: http://hubblesite.org/
- アストロアーツ:
- 投稿画像ギャラリー: 2015年 木星
- 天文ソフト「ステラナビゲータ」: 20のトリビア「木星の大赤斑」
- 星空ガイド: 【特集】木星に新しい赤斑現る!(2006年) 木星大赤斑&赤斑Jr.の謎
- 星ナビ.com:
- 月刊星ナビ 2006年7月号
- こだわり天文書評:
〈関連ニュース〉
- 2014/05/19 - 急速に縮む木星の大赤斑
- 2012/10/22 - 常に変化し続ける木星の素顔
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