地上で初めて彗星由来の塵を発見

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日米の共同研究チームが、南極の氷の中から彗星に由来する塵を発見した。地上で見つかったのは初めてのことだ。

【2014年12月11日 Phys.Org

九州大学の野口高明氏をはじめとする日米の共同研究チームが、南極で穴を開けて採取した氷の中に大きさが数十μmの塵の微粒子を発見した。

当初その塵は、隕石によってもたらされたものだと考えられた。しかし詳しい分析の結果、微粒子はコンドライトのような粒状の構造をした多孔質の惑星間塵であり、NASAの彗星探査機「スターダスト」が採取した彗星のサンプルにほぼ一致するものであることがわかった。

氷の中から発見された彗星由来のちりの微粒子
氷の中から発見された彗星由来のちりの微粒子(出典:Earth and Planetary Science Letters, Volume 410, 15 January 2015, Pages 1–11.)

これまで、塵の微粒子は大気圏突入という厳しい条件に耐えられないだろうと考えられてきたが、今回の発見により地上に到達することが明らかになったわけだ。

太陽系で最も古い天体の代表と考えられている彗星について理解が深まれば、太陽系の起源に迫ることができるだろう。また、地球上に生命の種を撒いたのは彗星だという説の正当性についても、答えが得られるかもしれない。彗星の塵の粒子については詳しい研究が必要とされており、地上でもそうしたサンプルが得られることを示した重要な発見となった。

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