シリウスの伴星の観察に挑戦しよう

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シリウスの周りを回る伴星「シリウスB」が、主星から大きく離れて観察の好機を迎えている。

【2022年2月14日 星ナビ編集部

夜空に見える恒星として全天で最も明るい、おおいぬ座のシリウス。冬の大三角の一つとして、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンとともに冬の南の空を彩る輝星だ。肉眼では1つの星に見えるシリウスだが、実際は約マイナス1.4等級の主星「シリウスA」と、約8等級の伴星「シリウスB」からなる実視連星である。

シリウスB
シリウスAのそばに輝くシリウスB(「シリウスBチャレンジ」ウェブサイトより。撮影:阿南市科学センター)

シリウスBは約50年周期でシリウスAの周囲を回っていて、地球から見ると2つの星の間隔が変化する。2星が近づいているときには、等級差が大きすぎることもあり、天体望遠鏡を使っても分離して見ることはできない(=1つにしか見えない)。

このシリウスBが現在、シリウスAから最も離れて見える時期を迎え、観察好機となっている。最大離角時のシリウスAとBの間隔は11.3秒角と計算され、はくちょう座の二重星アルビレオの約1/3ほどの離角だ。離角が最大になるのは2021年から2024年ごろにかけてで、今回を逃すと次の観察好機は40年以上先となってしまう。

シリウスBの軌道
2000年~2049年におけるシリウスBの軌道。画像上が北。画像クリックで表示拡大(「シリウスBチャレンジ」ウェブサイトより。計算・作図:K. Imamura)

このチャンスに多くの人にシリウスBを見てもらおうと、観察を呼びかけるキャンペーン「シリウスBチャレンジ」が始まった。ウェブサイトには詳しい観察方法が掲載されている。分離するための望遠鏡の口径は最低20cm以上と考えられているが、気流等の条件が良ければそれ以下の口径でも分離するかもしれない。手順を参考にして挑戦してみよう。

サイトには報告用フォームも用意されており、観察を報告すると電子版の参加証が発行される。一般からの参加だけでなく、キャンペーンに賛同し一般の方向けの観察イベントを実施できる公開天文台も募集中だ。

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