ispace、月着陸船「レジリエンス」の月周回軌道投入に成功
【2025年5月7日 ispace】
今年1月15日(日本時間、以下同)に打ち上げられた、ispace社の小型月面探査車「テネシアス(Tenacious)」を搭載した着陸船「レジリエンス(Resilience)」は、2月15日に民間初の月フライバイに成功した後、低エネルギー遷移軌道に入り、約2か月間にわたって宇宙空間を順調に航行してきた。
ispaceは5月7日、今回の「ミッション2」で最も重要な、月周回軌道投入のためのマヌーバーを実施した。9分間にわたる推進系の燃焼が完了すると、レジリエンスは無事に月周回軌道へと投入された。この成功により、ミッション2はいよいよ月面着陸に向けたカウントダウンの運用に入った。
(上)レジリエンスの月到着までの軌道。①地球周回、②低エネルギー遷移軌道、③月周回。(下)ミッション2マイルストーン。月周回軌道投入の成功により、ミッション2で設定されたマイルストーンのうち「サクセス7」まで達成された(提供:ispace、以下同)
月周回軌道上で予定されている軌道制御のためのエンジン噴射は5月28日ごろに完了する予定だ。ispaceとして2度目となる月面着陸への挑戦は、その翌週の6月6日に設定されていて、「寒さの海(氷の海)」の中央付近に着陸する計画となっている(日時や地点は変更される可能性がある)。
「今回最もクリティカルなマヌーバを成功させ、月周回軌道に投入を完了したクルーの姿をとても誇らしく思います。この勢いをそのままに、引き続き丁寧な運用と入念な準備を進め、月面着陸成功に繋げたいと思います」(ispace代表取締役CEO & Founder 袴田武史さん)。
小型月面探査車ネシアスを搭載した着陸船レジリエンスの想像図(提供:ispace)
関連記事
- 2025/03/19 月着陸船「ブルーゴースト」ミッション終了、日食撮影など目標を100%達成
- 2025/03/10 月着陸船「アテナ」と探査車「ヤオキ」、月面活動を早期終了
- 2025/03/07 月着陸船「アテナ」、月面にタッチダウン
- 2025/03/03 月着陸船「ブルーゴースト」月面着陸に成功、民間では世界2例目
- 2025/02/28 月着陸船「アテナ」打ち上げ、日本の探査車「ヤオキ」を搭載
- 2025/02/17 ispaceの月着陸船「レジリエンス」、民間初の月フライバイに成功
- 2025/01/16 ispaceの月着陸船「レジリエンス」打ち上げ、再挑戦を本格始動
- 2024/06/26 嫦娥6号、月の裏側のサンプルを携え地球に帰還
- 2023/08/21 ロシアの探査機ルナ25号、月面に衝突
- 2023/04/26 「HAKUTO-R」、民間初の月面着陸ならず
- 2023/02/28 JAXA、「アルテミス世代」の宇宙飛行士候補2人を発表
- 2022/12/13 無人宇宙船「オリオン」月から地球へ帰還
- 2022/12/12 日本初の民間月着陸船、打ち上げ成功
- 2021/11/26 JAXAが宇宙飛行士を新規募集
- 2020/12/21 嫦娥5号、月のサンプルを携え帰還
- 2020/12/04 嫦娥5号、月面着陸とサンプル採取に成功
- 2020/11/24 中国の月探査機 「嫦娥5号」、打ち上げ成功
- 2020/03/26 リビングで月面着陸を追体験 映画「アポロ11 完全版」
- 2019/01/08 中国の「嫦娥4号」、史上初めて月の裏側に着陸
- 2018/09/28 民間企業の新計画「HAKUTO-R」始動 2020年以降2度の月探査