日本初の月面探査ローバー、名称は「SORATO」

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月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に日本から唯一参加する日本初の月面探査ローバーの名称が「SORATO」に決まった。3万通を超える応募の中から選ばれたものだ。

【2017年2月27日 AU × HAKUTO MOON CHALLENGE

Google Lunar XPRIZEは、GoogleがスポンサーとなりXPRIZE財団によって運営される世界初の月面探査レースだ。月面に探査ローバーを着陸させ、着陸地点から500m以上移動し、動画や静止画データを地球に送信することがミッション成功の条件である。

賞金総額は3000万ドルだが、その目的は単なる賞金レースではない。本当の目的は、起業家の挑戦心を刺激し、低コストによる新しい宇宙ビジネスの育成や月資源の効率的な開発と利用を実現することにある。また、このレースに参加する各国チームの挑戦を世界中の人々に公開することで、次世代のテクノロジーやイノベーションに関わる人々を、さらなる宇宙への挑戦へと駆り立てることも、このミッションの重要な目的である。

世界10か国以上16チームの民間組織の中から、今年1月の最終フェーズに生き残ったファイナリストは5チームとなった。ファイナリストに残った日本のチーム「HAKUTO」は、日本初の民間による宇宙開発を目指している団体であり、日本から唯一参戦しているチームでもある。その探査ローバーの名称が公募され、3万通を超える応募から「SORATO(ソラト)」に決定した。

SORATO全体像のイラスト
SORATO全体像のイラスト(提供:au×HAKUTOホームページより、以下同)

SORATOの総重量は約4kgで、ライバルチームと比較しても類を見ない超軽量化を実現し、重くなるほど増大する打ち上げコストを抑えている。大きさは高さ358mm×幅536mm×長さ580mmと小型だ。さらに、民生品を積極的に活用してコストを圧縮している。

SORATOは今後、5月ごろまで最終試験を行い、8月に打ち上げ予定地点のインドへと向かう。そして今年12月28日、サティッシュ・ダワン宇宙センターからTeamIndusと共に打ち上げられ、月面の「雨の海」へと向かう予定だ。

なお、このプロジェクトを支援するクラウドファンディングを実施中だ。リターン(返礼)はローバーへの刻印や1/10スケールモデルなどとなっている。

鳥取砂丘に佇むSORATO
月面を思わせる鳥取砂丘に佇むSORATO。昨年9月に行われた試験にて

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