国際宇宙ステーションで船外活動の記録更新相次ぐ
【2007年2月28日 NASA ISS News】
国際宇宙ステーション(ISS)の第14次長期滞在クルーが船体のメンテナンスを行う中で、相次いで船外活動の記録が更新された。Mike Lopez-Alegria氏の累積活動時間が米国宇宙飛行士の最長記録を塗り替えたほか、Sunita Williams氏は通算で船外活動回数がもっとも多い女性宇宙飛行士となった。
ISSでは、1月31日から2月22日までの約1か月間に過去最多となる4回の船外活動が行われた。うち3回は米国側の出入り口と宇宙服が使用され、残る1回はロシア側の出入り口を使用したものである。
1月31日、クルーを率いるコマンダーのMike Lopez-Alegria氏とフライトエンジニアを努めるSunita Williams氏が最初の船外活動を行った。この日は、冷却システム関連の作業が7時間55分にわたり行われた。
二人は2月4日も船外に出て、冷却システムを暫定的なものから新しいものへと切り替えた。また、アンモニア充填装置(EAS)の配管を取り外して収容した。
2月8日、二人は3回目の船外活動で大型の断熱カバーの取外しと投棄、曝露カーゴキャリア結合システム(UCCAS)の取り付けなどを行った。なお、ISSの組立てとメンテナンスに関わる船外活動はこれで80回目。Lopez-Alegria氏にとっては通算9回目で、累積時間は米国の宇宙飛行士として最長となった。また、Williams氏は通算4回目で、女性宇宙飛行士の最多記録を更新した。
2月22日には、Lopez-Alegria氏とフライトエンジニアであるMikhail Tyurin氏がロシア側の出入り口からロシアのオーラン宇宙服を着て船外へ出て活動を行った。二人は、ロシアの無人補給船プログレスのアンテナをISSから引き離して固定した。このアンテナは昨年10月にドッキングした際にうまく格納できておらず、分離の際に引っかかってしまうおそれがあった。10回目の船外活動を終えたLopez-Alegria氏は、回数でも米国の宇宙飛行士最多となった。Tyurin氏にとっては通算5回目の船外活動。
ISSは1998年に組み立てが始まった。2000年から宇宙飛行士の長期滞在が始まり、今回のクルーが第14次の長期滞在である。今年の末には日本実験棟「きぼう」の取り付けが始まり、2008年には日本人宇宙飛行士が長期滞在を行うことも決定している。