NASA、マーズ・グローバル・サーベイヤーの事故原因の調査結果を発表
【2007年4月16日 JPL News Releases】
NASAは、昨年11月に通信を絶ち行方不明となった火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーに関して、暫定的な調査結果を発表した。
発表によれば、故障の原因は、昨年11月2日送信された太陽電池パネルの調整を行うコマンドにあったようだ。実は、そのコマンド送信後に、探査機からは警報が送られてきていた。しかし、探査機の状態が安全と表示されていたため、NASAは警報に関する対処を行わず、その後探査機との通信は途絶えてしまったということである。
探査機は、NASAからのコマンドを受けて、太陽電池パネル2つのうちの1つを直接太陽の方向へ向けてしまったのだ。これが原因で1つ目の電池がまずオーバーヒートを起こし、続いて2つの電池両方が故障してしまったようだ。またその際、探査機のアンテナが正しい方向を向いていなかったため、発生時探査機の状況が地球に届くことはなかった。
マーズ・グローバル・サーベイヤーの姿勢制御プログラムは、今回のような事態には対応していなかった。NASAでは、他の運用中のミッションについても、現在行われている手順が探査機に起きたエラーを把握するにはじゅうぶんではないと結論づけている。そのため、リスクに対応した緊急モードや不定期なプログラムの変更について、入念な見直しを勧めている。