板垣さん、ちょうこくしつ座の銀河に超新星2010kxを発見

【2010年12月22日 VSOLJニュース(258)】

山形の板垣公一さんが12月19日、ちょうこくしつ座の銀河NGC 7645に超新星2010kxを発見した。板垣さんの超新星発見は今月3個目となる。


VSOLJニュースより(258)

著者:山岡均さん(九大理)

超新星2010kxの発見画像

板垣さんが12月19日に撮影した超新星2010kxの発見画像。クリックで出現前後画像と確認画像の拡大表示

今年も残すところ10日あまり、一年の決算をされている方も多いでしょう。空の世界はそれはお構いなしで、いつもと同じペースで新天体が出現し、発見されているようです。12月21日、新たな超新星の発見が報じられました。発見したのは、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんで、板垣さんにとっては今月に入って3個目の超新星発見です(下記<関連ニュース>参照)。

板垣さんは、12月19.383日(世界時、以下同様)に60cm反射望遠鏡でちょうこくしつ座の不規則銀河NGC 7645を撮影した画像上に、17.5等の新しい光点を見つけ、翌20.360日に確認しました。光点の位置は以下のとおりで、母銀河の中心から西に11秒角、北に3秒角にあたります。

  赤経  23時23分46.37秒
  赤緯 -29度23分10.0秒(2000.0分点)
  超新星2010kxの周辺星図

天体は、板垣さん本人が20.360日に同じ明るさで確認しています。

不規則銀河なので、最近に星生成があったと考えられ、大質量星が爆発した重力崩壊型超新星である可能性がありますが、それにしては明るく見えています。今後の動向が注目されます。


超新星2010kxの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

また、ステラナビゲータから新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる「板垣さんが発見した超新星」と「日本人が発見した超新星」なども公開しています。あわせてお楽しみください。

<参照>

  • VSOLJニュース
    • 止まらない超新星発見(258)
  • CBET 2599: SUPERNOVA 2010kx (2010 Dec. 21)

<関連リンク>

<関連ニュース>