この秋冬は彗星づくし エンケ、ラブジョイ、アイソンの3彗星を見よう
【2013年10月8日 アストロアーツ】
アイソン彗星が太陽に近づきつつある未明の東の空には、エンケ彗星とラブジョイ彗星(C/2013 R1)も見えていて天体望遠鏡で楽しめる。コメットイヤーにふさわしい、彗星づくしの秋冬シーズンを楽しもう。
この秋冬最大の注目はなんといってもアイソン彗星(C/2012 S1)。11月下旬から12月上旬にかけて肉眼でも見えるほど明るくなると期待されている。だがこのアイソンだけではない。未明の東の空では、ほかにも2つの彗星が太陽に接近中で、明るさを増している。肉眼等級にこそならないが、双眼鏡や天体望遠鏡で眺めることができる。春のパンスターズ彗星(C/2011 L4)から始まった「コメットイヤー」はいよいよこれからが本番だ。
まず、言わずもがなのアイソン彗星は、現在明け方の東の空で火星のそばに見えている。明るさは11等前後。11月に入ると双眼鏡で、同下旬には肉眼で見えると予想されており、いったん見えなくなる11月29日の近日点通過後にどれだけ明るく化けて再登場するか楽しみだ。
3年周期で太陽を公転しているエンケ彗星(2P)も未明の東の空に見えており、11月22日の近日点通過に向けて明るさを増している。10月下旬から11月初めにかけては7等台前半で月明かりもないので、条件が良ければ口径5cm以上の双眼鏡で見えるだろう。11月後半には、1週間違いで近日点を通過するアイソン彗星とともに太陽に近づき、だんだん明け方の空低くなってくる。同月23日から25日にかけて、東の空のひじょうに低いところで、この2彗星を水星と土星とともに双眼鏡で一度に見ることができるかもしれない。
12月初めには夜明け前の空にふたたび現われるアイソン彗星とは対照的に、黄道面に近い軌道を持つエンケ彗星は、近日点通過後も昼間の空にあるためしばらく見えない。2014年3月に再登場するころには、観測不可能な暗さになっているだろう。
ラブジョイ彗星(C/2013 R1)は、あの2011年の大彗星(C/2011 W3)と同じテリー・ラブジョイさんが今年9月に発見した彗星で、やはり未明の東の空高く見えている。12月23日の近日点通過でもあまり太陽に近づかないが、ずっと地平線上に見えつづけ、双眼鏡で見える6等級まで明るくなると期待できそうだ。