彗星星景撮影の計画を立てる
地上景色と狙う「彗星星景」
彗星の一番の見どころである「尾」の長さがどのくらいになるかは、彗星の明るさとは別に未知の部分があります。頭部(コマ)が明るくても尾が短かったり淡かったりする場合もあり、長大な尾が見えるかどうかの期待感は彗星を追いかける魅力の一つといえます。
尾が伸びた彗星の写真を地上の景色とともに撮ると、面白い「彗星星景」になります。このような撮影は、カメラを三脚に固定する方法で比較的簡単にできます。
- 露出をマニュアルに/絞りは開放(もしくは1段絞る)。
- 露出時間:星像が伸びないように、焦点距離によって決める。広角レンズで15秒前後、標準レンズで10秒程度。
- ISO感度:薄明の進み具合や月明かりの影響などにより変わる。テスト撮影してヒストグラムの山が左から1/3くらいにあれば適切。
ステラナビゲータで彗星星景の撮影計画
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ12」で紫金山・アトラス彗星を表示し、位置の確認と構図の検討など撮影計画を立ててみましょう。
紫金山・アトラス彗星を表示
- リボンバーの「彗星・小惑星」タブの「彗星」の[詳細]をクリックし、「彗星」ダイアログを開きます。
- 上段が星図に表示される彗星です。
リストに紫金山・アトラス彗星がない場合には、ダイアログ右下の[名前で検索]に彗星名や符号等を入力し、下のリストに表示されたら[個別]にチェックを入れてください。上段に紫金山・アトラス彗星が入ります。 - 必要に応じて[符号][等級]等にもチェックを入れておきましょう。
写野を表示
- リボンバーの「視野・写野」タブで[撮像エリア]をクリックすると星図に写野が表示されます。
写野の大きさは「レンズの焦点距離」で変わります。[詳細]をクリックして「写野」ダイアログを開くと、カメラ機種も選択できます。 - 通常よく使う「地上座標」の星図では写野の辺が歪みます(投影法のため)。
写野を正確に表示するには、設定バーの[表示形式]から[心射図法]を選んでください。
便利な使い方:日没を基準とした時刻の固定
- 設定バーから「日時」ダイアログを開くと、[時刻の固定]という項目があります。
ここにチェックを入れて数値を入力すると、日付や場所によって異なる「日の出/日の入り」時刻を基準とした時刻を星図に設定できます。
たとえば、[日の入り後][80]分としておけば、薄明中の夕空が表示され、日付を変えるとそれに応じて時刻も各日の日没80分後に設定されます。夕空での高度変化などを調べる際に便利です。 - 「場所」ダイアログでは地図のクリックや数値入力で撮影場所を指定できます。
地形データをインストールしてあれば地形を表示することもでき、彗星が山に隠れそうかどうかなどを確認できます。ただし木立や建物までは表示できませんので、事前のロケハンは必要です。
- 「ステラナビゲータ活用ページ」もご参照ください。
- 動画でもステラナビゲータの活用法をご覧いただけます。
「ステラナビゲータ12」を使うと、
- 紫金山・アトラス彗星の尾の形をリアルに再現!
- 薄明時、低空でのファイディングチャートの作成に便利
※機能や仕様について、詳しくは製品ページをご覧ください。試用版もあります。