千葉の鈴木さん、M100に超新星を発見
【2006年2月8日 VSOLJニュース(149) / 国立天文台 アストロ・トピックス(183)】
(VSOLJニュース)
NGC 4321 = M100は、私たちに最も近い銀河団である「おとめ座銀河団」に属する渦巻銀河です。この銀河には、これまでに4つの超新星が発見されており(1901年、1914年、1959年、1979年)、星形成がかなり活発な銀河であると考えられます。
このM100に、5つめの超新星が発見されました。発見者は、千葉県にお住いの鈴木章司(すずきしょうじ)さんです。2月4.747日(世界時、以下同様)に32cm望遠鏡と冷却CCDを使って撮影した画像から、17等の超新星を発見したのです。この超新星は、7.10日にイタリアのM. Migliardiさんも15.3等で独立に発見し、超新星2006Xという名前が付けられました。
Migliardiさんが測定したこの超新星の位置は、以下のとおりです。(銀河の中心から西に12秒角、南に48秒角のところに当たります。)
赤経 12時22分53.99秒 赤緯 +15度48分33.1秒 (2000年分点) 超新星2006X周辺の星図
星生成が活発な銀河であることから、大質量星の重力崩壊による超新星である可能性が高いものと思われます。今後の追跡観測が期待されます。
(国立天文台アストロ・トピックス)
千葉県山武郡大網白里町の鈴木章司(すずきしょうじ)さんが、超新星を発見しました。 鈴木さんは2月5日(日本時間)の明け方、口径317mm(焦点距離2857mm、f/9)の反射望遠鏡に冷却CCDカメラを使って撮影した、かみのけ座の渦巻銀河 NGC 4321(= M100)に17等級の超新星を発見しました。この発見は国立天文台の相馬充(そうまみつる)さんを通じて国際天文学連合に報告されました。7日にはイタリアの M. Migliardi さんも15.3等級で独立に発見しています。この超新星は 2006X と命名されました。2006Xは NGC 4321の銀河中心核から西に12秒、南に48秒はなれたところに出現しました。
鈴木さんは今年1月初旬から今月初旬にかけて、この銀河を観測していましたが、先月観測したときの画像には超新星らしき天体は写っておらず、今月の観測した画像には超新星が写っていました。なお、この超新星の明るさは2月8日(日本時間)現在、15.3等に達しており、発見時に比べて増光しています。増光中に発見される超新星は珍しく、分光観測など今後の追跡観測が期待されます。
日本人による個人の超新星発見は昨年12月の市村さんの発見以来で、今年に入り最初の発見となります。
M100 は、私たちに最も近い銀河団である「おとめ座銀河団」に属する渦巻銀河です。この銀河には、これまでに4つの超新星が発見されており(1901年、1914年、1959年、1979年)、星形成がかなり活発な銀河であると考えられます。なお、M100はおとめ座銀河団に属してはいますが、星座境界線を越え、かみのけ座の空域に属しています。
超新星2006Xの位置:この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.7」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。