山形の板垣さんが、今年自身3個目となる超新星2006dyを発見
【2006年7月26日 CBET 586 / VSOLJニュース(155) / 国立天文台 アストロ・トピックス(226)】
今年の5月の超新星2006chの発見に続いて、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが今年自身3個目となる超新星2006dyを発見しました。
超新星は、7月25.54日(世界時、以下同様)に板垣さんが撮影した画像に、16.6等の明るさで発見されました。また、2006年6月28日に19.5等、アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT (Katzman Automatic Imaging Telescope)では、7月22.22日に18.5等、26.20日に16.5等と観測されています。板垣さんは、DSS(デジタイズド・スカイ・サーベイ)では、2006dyの位置に天体は見られないことも合わせて報告しています。
超新星の位置は以下のとおりで、母銀河であるNGC 5587銀河の中心から東に10秒角、北に9秒角にあたります。
赤経 14時22分11.45秒 赤緯 +13度55分14.2 秒 (2000年分点) 超新星2006dy周辺の星図
(VSOLJニュース)
山形県の板垣公一(いたがきこういち)さんが、うしかい座の銀河NGC 5587に超新星を発見されました。彼自身、今年3個目の発見です。爆発後それほど間がないものと思われ、今後の観測が期待されます。
板垣さんが超新星を発見したのは、7月25日の夜(日本時間)のことです。世界時25.54日に撮影した画像で、16.6等級の新天体を見いだしたのです。その位置は以下のとおり(上と同じなので省略)で、母銀河であるNGC 5587の中心から東に10秒角、北に9秒角にあたります。この知らせをうけて、Lick天文台のKatzman自動撮像望遠鏡の画像を調べたところ、3日前の22.22日(世界時、以下同様)には18.5等級で写っていることがわかりました。さらに26.20日に同望遠鏡で撮影した画像では16.5等級になっており、爆発直後の急増光中であると期待されます。、
NGC 5587は、S0/a型に分類される、腕があまり発達していない渦巻銀河です。まずまず距離が近いため、母銀河内の星間吸収に邪魔されなければ、核爆発型超新星ならば14等級ほどの極大が期待されます。重力崩壊型であっても16等ほどとなるでしょう。今後、光度変化や分光観測が期待されます。
(国立天文台アストロ・トピックス)
山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、7月25日の夜(日本時間)、口径60センチメートルの反射式望遠鏡を使ってCCDで撮影した、うしかい座の銀河NGC 5587の画像の中に、16.6等級の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、超新星は「2006dy」と命名されました。
その後、アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT(Katzman Automatic Imaging Telescope)でも、22.22日(世界時)には18.5等級、26.20日(同)にも16.5等級で撮影されていることが確認されました。発見時には増光中であったとみられ、爆発後それほど時間が経過していないものと思われます。
報告された超新星の位置は次のとおりです(略)。NGC 5587の中心からは、東に10秒角、北に9秒角離れた位置です。
板垣さんは、昨年だけでも4個の超新星を発見し、今年に入ってもすでに、4月にはおおぐま座に超新星2006bpを(国立天文台 アストロ・トピックス 202)、5月にはペガスス座に超新星2006chを発見(同 212)しています。通算の超新星発見数は19個となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録をさらに伸ばしました。
この超新星の詳しい性質はまだ明らかになっていません。今後の光度変化の追跡や分光観測が待たれます。
超新星2006dyの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.7」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行なってください。