赤外線衛星「あかり」による大マゼラン雲の天体カタログを公開

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【2013年1月15日 JAXA

赤外線天文衛星「あかり」の観測から、天の川銀河の隣にある銀河「大マゼラン雲」に含まれる66万個に及ぶ天体のカタログが作成・公開された。星の進化などの研究に役立てられる。


南半球で見える大小マゼラン雲

南半球の空にかかる天の川の下、真ん中やや右寄りにぼんやりと見えるのが大マゼラン雲。左下にはかすかに小マゼラン雲が見える。クリックで拡大。投稿画像ギャラリーより(撮影:Milky Way @ Wyaralong Damさん)

「あかり」のデータからわかる、大マゼラン雲の天体

大マゼラン雲の星形成領域「N48」で取得したスペクトルのうち、典型的な3例をピックアップしたもの。波長ごとの強さから、その位置に存在する分子がわかる。クリックで拡大(提供:JAXA)

大マゼラン雲は天の川銀河の伴銀河で、約16万光年離れたところにある。南半球の夜空では小マゼラン雲(距離20万光年)と並んでいるのが肉眼でわかり、その名のとおり雲のように見える。

地球からはこの銀河をほぼ真上から俯瞰することができるため、一つの銀河の中で星の誕生や進化がどこでどのように起こるのか、またそれらの活動がどう関連し、物質が循環しているかを調べるにはかっこうの天体で、盛んに研究が行われている。

JAXA宇宙科学研究所と東京大学などの研究により、赤外線天文衛星「あかり」が2006年〜2007年に行った観測から、この大マゼラン雲の赤外線天体カタログとスペクトルカタログが作成・公開された。

カタログには5つの赤外線波長でとらえた66万個以上の天体の位置や明るさが掲載されており、そのうち1757個については赤外線のスペクトル(光の成分)についてもまとめられている。世界で初めてとらえた波長でのデータも含まれており、生まれたての星や進化した星、また惑星系形成など様々な研究に役立つと期待される。

赤外線天文衛星「あかり」は2006年2月に打ち上げられ、2011年11月に運用を終了しているが、そのデータを元にした分析研究は引き続き行われている。「あかり」による大マゼラン雲の近・中間赤外線サーベイについてはこれまでにもその成果が発表されてきたが、今回の発表はその集大成となるものだ。

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