通信途絶の「ディープインパクト」、ミッション終了

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【2013年9月24日 NASA

8月から通信が途絶えていた彗星探査機「ディープインパクト」のミッション終了が決定した。ディープインパクトは2005年7月に史上初となる彗星衝突探査を行ったほか、8年間の観測で多くの成果を挙げた。


テンペル彗星への衝突

2005年7月、テンペル彗星に子機を衝突させて噴出物や表面の痕を観測する「ディープインパクト計画」が実施された(提供:NASA/JPL-Caltech/UMD)

「ディープインパクト」がとらえたアイソン彗星

2013年1月、「ディープインパクト」が約8億km離れた位置からとらえたアイソン彗星(赤い円)。36時間の連続画像から作った動画をリンク先で見ることができる。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

8月8日の交信を最後に通信不能となっていたNASAの彗星探査機「ディープインパクト」の運用終了が決定した。

通信ができなくなった理由は確定していないが、ミッションが当初計画以上の長期にわたったために搭載コンピューターの時刻が桁あふれを起こして再起動を繰り返すようになってしまい、これによって姿勢制御が不能となってアンテナと太陽電池パネルの向きをコントロールできなくなった可能性が考えられている。

地上管制チームは1か月間コマンドを送信し続けて交信を試みたが、復旧を断念した。

2005年1月に打ち上げられたディープインパクトは史上初の試みとして、同年7月4日にテンペル彗星(9P/Tempel)に子機を衝突させて飛び散る物質やその痕を観測した。このメインミッションを終了した後も、2010年のハートレー彗星(103P/Hartley)、2012年のギャラッド彗星(C/2009 P1)や惑星を観測、さらに系外惑星の確認など多くの成果を挙げ続けた。今年1月にとらえたアイソン彗星(C/2012 S1)が最後の観測対象となった。これまでの総飛行距離はおよそ76億kmにも及ぶ。

NASAのLindley Johnsonさんは「最後は突然の別れとなってしまいましたが、予想をはるかに超えた活躍をしてくれました」と語る。「ディープインパクトの観測成果は彗星についての見方を大きく変えました。今後においても、その観測データは惑星科学研究の宝の山です」。


ディープインパクトの位置と航路

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、2005年の打ち上げから2011年までの「ディープインパクト」の航路を表示。太陽系の中でテンペル彗星やハートレー彗星に接近するようすをシミュレーションすることができます。

また「コンテンツ」メニュー→「コンテンツライブラリ」から「テンペル彗星と探査機ディープ・インパクト」をダウンロードすると、「お気に入り」メニューからテンペル彗星への接近のようすを自動再生できます。

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