2007年
日本の大部分が梅雨に入り、なかなか晴天に恵まれない。おまけに22日が夏至なので、1年を通して一番夜が短い季節だ。星を見るにはあまりに条件が悪いが、もし貴重な晴れ間に恵まれたら、ぜひ空を見上げたい。今月はすべての惑星を眺める絶好のチャンスなのだ。
まずは夕方の西空で水星と金星を探そう。水星は2日に東方最大離角、つまり太陽からもっとも離れた状態となる。日没後の高度は比較的高く、今年一番の好条件だ。9日に東方最大離角を迎える金星が目印となる。その金星はかに座を通っていて、13日にはプレセペ星団と大接近。さらに、しし座の先端にある土星とも近づく。18日から19日にかけて月、金星、土星のランデブーが楽しめる。
夜がふけてくると、夏を代表するさそり座が南東の空で目立ちはじめている。今年は1等星アンタレスのすぐ近くに木星が位置し、6日に衝となって観望シーズンに入る。
夜半過ぎには海王星と天王星が昇ってくる。夏の天の川を抜けたところにあるので、ほかの星が少なく双眼鏡で探しやすいはずだ。さらに夜がふけてくると、0.8等の火星も昇ってくる。
ちなみに、「準惑星」に分類された冥王星も19日にひっそりと衝を迎える。こちらは大型の望遠鏡がないと見るのは難しいだろう。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | 0.7 | 2.0 | 3.9 |
視直径 | 8.7" | 10.7" | 12.0" |
星座 | ふたご | ふたご | ふたご |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -4.3 | -4.4 | -4.4 |
視直径 | 22.5" | 25.3" | 28.8" |
星座 | かに | かに | かに |
現象 |
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火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.8 | 0.7 |
視直径 | 5.8" | 6.2" |
星座 | うお | うお |
現象 |
木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.6 | -2.6 |
視直径 | 45.7" | 45.3" |
星座 | へびつかい | へびつかい |
現象 |
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土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.6 | 0.7 |
視直径 | 17.3" | 16.8" |
星座 | しし | しし |
現象 |
天王星・海王星・冥王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | 冥王星(中旬) | |
等級 | 5.8 | 7.9 | 13.9 |
視直径 | 3.5" | 2.3" | 0.1" |
星座 | みずがめ | やぎ | いて |
現象 |
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