高度約6kmから撮影されたリュウグウ
【2018年7月26日 JAXA はやぶさ2プロジェクト】
6月27日に小惑星「リュウグウ」に到着した探査機「はやぶさ2」は、到着後しばらくはリュウグウから約20km離れたホームポジションからリュウグウを観測していた。
到着から約3週間後の7月17日から「はやぶさ2」の高度を下げる運用が実施され、最終的に「はやぶさ2」は、リュウグウからの距離が6kmを切るほどのところまで近づいた。その運用の際に撮影された画像が公開されている。
ホームポジションから近づいた分だけ画像の解像度も向上しており、1ピクセルが約60cmに対応している。画像中央付近に写っているリュウグウ表面で最大のクレーターが「すり鉢」のような形をしていることや、リュウグウの表面に非常に多くの岩塊が存在していることなどがはっきりとわかる。秋ごろに「はやぶさ2」はリュウグウにタッチダウンを行う予定だが、その際の着陸地点を選ぶ上でも、今回のような画像は重要な情報を提供してくれるものとなる。
「はやぶさ2」は7月20日から1日間だけ最低高度に留まった後、21日から高度を上げてリュウグウから離れ、25日には再びホームポジションに戻っている。
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