ハッブルが撮影、3衛星の木星面同時通過
【2015年2月10日 ヨーロッパ宇宙機関/アストロアーツ木星特集】
木星には数十個以上もの衛星が見つかっている。そのうちイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つ、通称「ガリレオ衛星」は、双眼鏡や小口径の天体望遠鏡でも見ることができるおなじみの天体だ。1610年に天文学者ガリレオ・ガリレイが発見したため、この名が付けられている。
1月24日7時ごろ(世界時、以下同)、このガリレオ衛星のうち3つが同時に木星面と重なるという珍しい現象が起こり、ハッブル宇宙望遠鏡がそのようすをとらえた。画像は6時28分にイオとカリストが木星面上に位置するようすと、7時10分にイオが木星面の西縁へと通過し切る前に東縁からエウロパが通過を始めるようすだ。
今回のように3つのガリレオ衛星が同時に木星面を通過するのは、10年に1、2度ととても珍しい。この他にも、2015年は地球や太陽から見て木星の赤道面がほぼ真横に見えるため、衛星同士が隠し隠される相互現象が見られる、6年に一度のタイミングだ。「【特集】木星を見よう:ガリレオ衛星の相互現象を観測しよう」を参考にして、衛星と衛星が重なったり、衛星の影に他の衛星が入り込んだりするようすを天体望遠鏡で見てみよう。ガリレオは、衛星が木星の周りを回るようすから、地動説を確信するに至ったと言われている。そんなことを思い浮かべながら衛星の動きを追うといっそうおもしろい。
ステラナビゲータで木星の衛星の動きをシミュレーション
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、木星の5つの衛星(ガリレオ衛星+アマルテア)の軌道や位置を表示できます。
〈参照〉
〈関連リンク〉
- ESA/Hubble: http://www.spacetelescope.org/
- アストロアーツ:
- 【特集】木星を見よう(2015年)
- ガリレオ衛星の相互現象を観測しよう
- ステラナビゲータで木星をシミュレーション
- 投稿画像ギャラリー: 2015年 木星
- 星ナビ.com こだわり天文書評:
- 「太陽系ビジュアルブック 改訂版」
- 「天体観測の教科書 惑星観測編」
- 「ここまでわかった新・太陽系」
- 「ガリレオ はじめて「宇宙」を見た男」
- 「星の使者 ガリレオ・ガリレイ」
- 「ガリレオ 地球を動かした男」
- 「ガリレオがひらいた宇宙のとびら」
- 「それでも地球は動く ガリレオ」
- 「青い地球を救う科学 エネルギーと身近な科学」
- ハッブル宇宙望遠鏡が見た宇宙
- ハッブル望遠鏡宇宙の謎に挑む
- ハッブル宇宙望遠鏡でたどる 果てしない宇宙の旅
〈関連ニュース〉
- 2014/10/02 - 世界初、「ひさき」がとらえた木星磁気圏の電子の流れ
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