西山さんと椛島さん、藤川さんがへびつかい座に新星を発見

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福岡県の西山浩一さんと佐賀県の椛島冨士夫さんの新天体捜索チームが10月11日、へびつかい座に約12等級の新星を発見した。西山さん椛島さんの新天体発見は通算100個目。香川県の藤川繁久さんも同じ天体を発見している。

【2015年10月16日 VSOLJニュースCBAT/CBET】

著者:前原裕之さん(国立天文台)

先月末にはいて座に、今月上旬にはわし座に相次いで新星が発見されましたが、今度はへびつかい座に新星が発見されました。新星を最初に発見したのは福岡県久留米市の西山浩一さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫さんのチームで、香川県観音寺市の藤川繁久さんもほぼ同時刻にこの新星を独立に発見しました。

西山さんと椛島さんは10月11.4129日(世界時、以下同様、日本時間11日19時ごろ)に焦点距離105mmのレンズとCCDカメラを用いて撮影した画像から11.8等の新天体を発見し、その直後に口径50cmの望遠鏡でもこの天体を確認しました。また、藤川さんは11.415日に撮影した画像からこの天体を発見しました。西山さんと椛島さんの確認観測によると、この天体の位置は以下のとおりです。

赤経  17h34m47.75s
赤緯 -24°09′04.2″ (2000年分点)

へびつかい座の新星
へびつかい座の新星の確認画像(撮影:清田さん)

この天体は西山さん・椛島さんのチームや藤川さんの発見よりもわずかに前の11.394日に、群馬県の小嶋正さんによって撮影された画像にも12等で写っていたことが報告されました。西山さん椛島さんのチームが10月7日に撮影した画像には写っておらず、発見前の数日の間に明るくなってきたと考えられます。発見の報告を受けて千葉県の清田誠一郎さんや宮城県の遊佐徹さんらによって確認観測が行われ、12等ほどの明るさの赤い色をした天体であることがわかりました。

11.99日にウェスリアン大学のチーム、12.421日に岡山県の藤井貢さんによって分光観測が行われ、"P Cyg"プロファイルを持つHαおよび中性酸素の輝線が見られることがわかりました。また、ナトリウムの強い吸収線が見られることや、連続光成分が長波長側ほど強く赤い色をしていることもわかりました。これらの特徴からこの天体は星間物質による赤化を受けた古典新星であることが判明しました。

西山さんと椛島さんのチームによる新星・超新星の発見はこの天体で100個目(天の川銀河内の新星24個、天の川銀河外の新星74個、超新星2個)となりました。

へびつかい座の新星の位置
へびつかい座の新星の位置。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で表示)

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