冥王星にも存在、氷の剣「ペニテンテ」

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これまで地球にしか見られないと考えられてきた氷や雪の地形「ペニテンテ」が、冥王星にも存在する証拠が、気象モデルや数値シミュレーションから示された。

【2017年1月10日 NASA

「ペニテンテ」とはアンデス山脈の山々などに見られる雪や氷の地形で、窪みの周囲を剣や塔のように尖った構造が取り囲んでいるものだ。

ペニテンテはこれまで地球上でしか見つかっていないが、米・ヨーク大学のJohn Mooresさんたちの研究チームによって、冥王星のある地形もペニテンテと同種のものである証拠が見つかった。

Mooresさんたちは2015年7月に探査機「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星の画像を調べ、Tartarus Dorsa(非公式名)と呼ばれるギザギザの大地にある尾根と、天気予報のようなモデルや氷の蒸発の物理過程に関するコンピュータシミュレーションとを比較した。

Tartarus Dorsa
Tartarus Dorsa(提供:NASA/JHUAPL/SwRI)

冥王星の尾根は高さ約500mで間隔が数kmもあり、地球のペニテンテよりもはるかにスケールが大きいものだが、この大きさは地球のペニテンテ形成と同じモデルから予測することができるという。さらに地形の向きや年齢も考慮すると、冥王星に見られる尾根はペニテンテと考えられる。

「冥王星は地球よりもずっと寒くて大気が薄く、雪や氷は水ではなくメタンや窒素でできていますが、同じ科学法則が成り立つのです。ペニテンテの形成には大気の存在が必要だと考えられますが、条件さえ整っていれば他の天体にも見つかるかもしれません」(Mooresさん)。

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