【訃報】ユージン・サーナンさん 月面を歩いた最後の人

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アポロ17号に搭乗した元宇宙飛行士で、月面を歩いた最後の人であるユージン・サーナンさんが1月16日に亡くなった。享年82。

【2017年1月18日 NASA

1月16日、宇宙飛行士として月面に足跡を残し、現時点で月を歩いた最後の人であるユージン・サーナン(Eugene Cernan)さんが亡くなった。享年82。

ユージン・サーナンさん
2012年9月13日、ワシントン国立大聖堂で行われたニール・アームストロングさんの追悼式で話す、ユージン・サーナンさん(提供:NASA/Paul E. Alers)

サーナンさんは1963年10月に14人のNASA宇宙飛行士のうちの一人として選ばれ、1966年6月にジェミニ9号の副操縦士として初の宇宙飛行を行った。次いで1969年5月にはアポロ10号の月面着陸船のパイロットを務め、その性能や安定性などを確認した。このときには月面には降りていない。

そして1972年12月、アメリカ最後の有人月面探査となったアポロ17号の船長を務め、月面に降り立って標本採取などを行った。これが現時点において、人類最後の月面歩行となっている。また、月飛行を2度行ったのは、サーナンさんのほかにはジム・ラヴェルさん(8号と13号、月面着陸はせず)とジョン・ヤングさん(10号と16号)の2人しかいない。

月面に立つサーナンさん
月面に立つサーナンさん。1972年12月、アポロ17号ミッションにて(提供:NASA)

NASAのボールデン長官はサーナンさんの死去に寄せた声明の中で、「アメリカは一人の愛国者を、そして人類がそれまで果たしえなかった偉業の達成という、我が国の宿願とも言える野心を形にするために活躍した先駆者を失った」と述べている。

また、サーナンさんの家族は「ジーン(Eugeneの愛称)は82歳の高齢にもかかわらず、人類による宇宙探査を目にしたいという彼の願望を人々と共に分かち合いたいという情熱を持ち続けていました。また、自分が月面を歩いた最後の人となってはならないのだと語り、米国のリーダーたちや若者たちを励まし続けてきました」と話している。

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