【訃報】アポロ15号の宇宙飛行士アルフレッド・ウォードンさん

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アポロ15号の司令船パイロットを務めた元宇宙飛行士のアルフレッド・ウォードンさんが3月18日に亡くなった。享年88。

【2020年3月23日 NASA(1)(2)

3月18日、元宇宙飛行士のアルフレッド・ウォードンさんが亡くなった。享年88。1971年にアポロ15号が月面着陸に成功してデイヴィッド・スコットさんとジェームズ・アーウィンさんが月面を調査した際、月周回軌道に残る司令船「エンデバー」のパイロットとして2人をサポートしつつ、自らも上空から地表を観測していた。

アルフレッド・ウォードンさん
アルフレッド・ウォードンさん(提供:NASA)

アポロ15号はアポロ計画で初めて月面車を投入するなど、それまで以上に科学探査を推し進めたミッションとして知られているが、それは月面に着陸しなかったウォードンさんにとっても同様であった。「エンデバー」はアポロ計画の司令船として初めて自前の科学器具を備えており、ウォードンさんは月を周回しながら、写真を撮影するなど観測を続けた。また、アポロ計画としては初めて小型衛星を月周回軌道上へ放出したほか、地球への帰還中に38分間の船外活動を実施して観測装置からフィルムを回収した。ウォードンさんは7月26日の打ち上げから8月7日の地球帰還まで295時間以上を宇宙で過ごしたことになる。

1975年に退役したウォードンさんは米国の航空宇宙企業「Maris Worden Aerospace」の社長なども歴任した。さらにそのころから執筆活動も続けており、詩集や子供向けの本、回想録「Falling to Earth」などを著している。

「NASAはアポロ計画の宇宙飛行士アル・ウォードンのご遺族とご友人に哀悼の意を表します。彼が宇宙と地上で成し遂げたことは決して忘れられることはありません」(NASA長官 Jim Bridenstineさん)。

ウォードンさんを回想する動画「NASA Remembers Apollo Astronaut Al Worden」(提供:NASA)