あと約20万km、「はやぶさ2」もうすぐリュウグウ到着
【2018年4月23日 JAXA】
今年夏に予定されている探査機「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」到着を前に、同プロジェクトの状況を説明する記者説明会が4月19日に行われた。
2014年12月3日に打ち上げられた「はやぶさ2」は、段階的にイオンエンジンを運転して速度を上げながら小惑星リュウグウに向けて現在も順調に飛行を続けている。説明会の時点ではリュウグウまであと約26万kmの距離にいて、すでに地球から月までの平均距離(約38万km)よりも近い距離までリュウグウに近づいたことになる。リュウグウへの到着は6月21日から7月5日ごろとなる見込みだ。
プロジェクトチームでは現在、「はやぶさ2」の日々の運用と並行して、リュウグウに到着した後に行われる着陸点選びや探査機の降下・着陸などの訓練も繰り返し実施しているという。
今後は、リュウグウまで残り2500kmとなる6月5日にイオンエンジンの運転を終え、その後はスラスターを使ってリュウグウへの最後の接近誘導を行う。最も早ければ6月21日にはリュウグウの上空20kmの位置に到着する予定だ。
「はやぶさ2」はリュウグウ到着後、2019年12月ごろまで約1年半にわたってリュウグウに滞在し、リュウグウ表面への着陸を数回試みることになっている。探査ローバーをリュウグウに降ろして直接観測を行ったり、リュウグウの表面に人工クレーターを作って地下の物質を採取するといったミッションが待っている。地球帰還は2020年末ごろとなる見込みだ。
また、「はやぶさ2」プロジェクトでは、現在の「はやぶさ2」の情報をリアルタイムで見ることができるウェブサイト「はや2NOW(Haya2NOW)」を公開した。JAXA臼田宇宙空間観測所(長野県)やゴールドストーン深宇宙通信施設(米・カリフォルニア州)など、「はやぶさ2」との交信を行う世界6か所の施設での通信状況などを詳しく知ることができる。このサイトの製作にはアストロアーツが協力している。
(文:中野太郎)
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