「はやぶさ2」、リュウグウ到着は6月27日ごろ

このエントリーをはてなブックマークに追加
JAXAの探査機「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」への到着は6月27日前後になることが発表された。

【2018年6月7日 JAXA 宇宙科学研究所ファン!ファン!JAXA!

JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」は、探査目標天体の小惑星「リュウグウ((162173) Ryugu)」まで残すところ約2000kmまで迫っている(6月7日時点)。今年1月10日に開始した第3期目のイオンエンジンによる連続運転を6月3日に終了し、現在は探査機に搭載したカメラなどを使って目的天体を確認しながら接近する「光学電波複合航法」でリュウグウへ接近中だ。

リュウグウ
6月6日4時15分ごろ(日本時間)に「はやぶさ2」の光学航法カメラで撮影された「リュウグウ」。撮影時の「はやぶさ2」からリュウグウまでの距離は約2600kmで、1ピクセルは約300mに相当する。リュウグウは直径3ピクセル程度で写っており、形状はわからないが明るさの濃淡があることはわかる(提供:記者説明会資料より、以下同)

7日に開催された記者説明会で、「はやぶさ2」のリュウグウへの到着は6月27日前後になることが発表された。

ミッションの概要
ミッションの概要

リュウグウに到着した「はやぶさ2」は、小惑星の上空約20kmの位置から、4つの機器を使ったリモートセンシング観測で小惑星の初期調査を行う。

その後、小型ローバー「ミネルバ2」や小型着陸機「MASCOT」を切り離して着陸させたり、自らタッチダウンして地表物質を採取するなどの探査を行ったりする。衝突体をぶつけてクレーターを作り、そこに「はやぶさ2」が降下して地下物質を採取するという世界初の試みにも挑戦する。

探査機「はやぶさ2」の概要
探査機「はやぶさ2」の概要

リモートセンシング機器
「はやぶさ2」に搭載されているリモートセンシング機器

その後「はやぶさ2」は2019年11月から12月ごろにリュウグウを離れ、2020年末ごろにサンプルを地球に持ち帰る予定だ。

C型小惑星であるリュウグウは、「はやぶさ」が探査したS型小惑星「イトカワ」よりも始原的な天体だ。「はやぶさ2」によるリュウグウの探査およびサンプルリターンは、原始太陽系における鉱物・水・有機物の相互作用の解明につながり、地球・海・生命の起源とその進化に迫ることが期待されている。

小惑星「リュウグウ」までの「はやぶさ2」の旅程紹介動画(提供:JAXA)

関連記事