火星の岩石に、サンプル採取用の穴が開けられた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2013年2月12日 NASA

NASAの探査車「キュリオシティ」がロボットアームの先に付いたドリルを使用して、火星の岩石に深さ約6.4cmの穴を開けた。火星に送られたロボットが、岩石に穴を開けてサンプル採取を行ったのは初めてのことだ。


「キュリオシティ」がサンプル採取を行った穴

「キュリオシティ」が自ら撮影した画像の中央には、見事に開いた穴が写っている。穴の大きさは、直径が約1.6cm、深さが6.4cm。周囲には穴を掘った際に飛び散った粉が見える。右側は、事前のテスト掘削による穴。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS)

火星探査車「キュリオシティ」は先週6日、ゲールクレーター内の盆地「イエローナイフ湾」にある平らな岩石に、初めて試験用の浅い穴を開けた。この岩石は、2011年に死去した副プロジェクトマネジャーに由んで「ジョン・クライン」(John Klein)と名付けられている。

続いてその2日後、サンプル採取用の本番掘削にのぞんだ。「わたしたちは、いっぱいの深さまで掘れるようにコマンドを送信しました。じゅうぶんな量のサンプルが得られたはずです」(ドリルエンジニアのAvi Okonさん)。

今後、地上のコントロールセンターから探査車にコマンドが送信され、サンプルの分析が段階的に進められる。岩石の粉末はキュリオシティの装置内部でふるいにかけられ、150μm(0.15mm)以上の粒子がとりのぞかれた後、「SAM」および「CheMin」と呼ばれる分析装置を使って詳細に調べられる予定だ。その分析から、かつて火星に水のある環境が存在していたことを示す新たな証拠が得られるかもしれない。

「もっとも技術の進んだ惑星探査ロボットが、火星上で分析を行うため、フル稼働しているのです。これは、「キュリオシティ」チームにとって、昨年8月にスカイクレーンを使って行った着陸以来の、最大かつ画期的な功績です」(NASA科学ミッション局のJohn Grunsfeldさん)。

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉

〈関連製品・商品〉