地球に似た系外惑星の内部構造は、やはり地球と似ている

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太陽系外惑星のうち、地球のように岩石を主成分とするものの内部は、一体どのような構造になっているのだろうか。モデル計算によれば、やはり地球に似ているようだ。

【2016年2月9日 CfA

地球の内部構造は、まず一番外側に薄い殼があり、その内部に厚いマントル、そして中心に火星サイズの核がある。

では、他の恒星の周りを回っている岩石惑星の構造はどのようになっているのだろう。地球と同じような三重構造だろうか。最新の研究結果によれば「イエス、地球にとても似ている」ということのようだ。

ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)のLi Zengさんらは、地球内部に関する標準的モデルである「PREM(Preliminary Reference Earth Model)」に手を加えて地球と質量や組成の異なる天体用に調整したうえで、質量と大きさがよくわかっている6つの岩石系外惑星をモデルに当てはめてみた。

すると、6つすべてが地球と同様に、惑星の質量の3割にあたる量のニッケルや鉄から成る核を持つことがわかった。核の外側には、地球と同様、マントルと殼があると考えられる。

(左)地球と(右)系外惑星「Kepler-93b」の内部構造図
(左)地球と(右)大きさが地球の1.5倍、質量が4倍の系外惑星「Kepler-93b」の内部構造図(提供:M. Weiss/CfA)

「わたしたちが地球の内部構造を知るようになったのは、ほんのここ100年のことです。それなのにもう、他の恒星の周りを回っている惑星の内部構造が、直接行くことはできなくても計算からわかるのです」(Zengさん)。

Zengさんらによって手を加えられたモデルは、太陽系の外のほうにある、地球よりも小さかったり凍っていたりする衛星や準惑星にも応用できる。たとえば、冥王星の質量と大きさをモデルに当てはめてみたところ、冥王星の3分の1は氷である(ほとんどが水で、少量のアンモニアやメタンの氷も含まれる)ことが示された。

このモデルは、遠く離れた太陽系外惑星の化学組成も地球に似たものであるという前提に立ったものだが、地球に近い複数の系における鉄やマグネシウム、ケイ素や酸素など鍵となる元素の量から考えると道理にかなったものだ。しかし、金属が豊富な領域あるいは少ない領域で形成される惑星の内部構造はおそらく異なるだろう。研究チームでは今後、この問題にも取り組むつもりである。

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