ニューホライズンズの次の目標天体は「世界の果て」
【2018年3月16日 NASA】
2015年7月に史上初の冥王星フライバイ(接近飛行)を果たしたNASAの探査機「ニューホライズンズ」は、2019年1月1日に次の探査目標である太陽系外縁天体「2014 MU69」(以下MU69)をフライバイする。その到着に先立ち、MU69にもっとわかりやすい名前をつけようと、NASAは昨年11月から12月にかけて愛称募集キャンペーンを実施した。
呼びかけに応じて世界中の11万5000人から3万4000もの愛称の候補が寄せられた。その中から選考や人気投票を経て、ニューホライズンズチームは「Ultima Thule(ウルティマ・トゥーレ、英語風の発音ではアルティマ・スーリー)」をMU69の愛称として選び出した。
「このような、興味深くて人々の心に訴えかける愛称を提案してくださった方々に感謝します。ニューホライズンズが体現する探査の真の精神を、名称という一つの形にしたことは、賞賛に値します」(ニューホライズンズ科学チーム Mark Showalterさん)。
「Ultima」はラテン語で「最後の、究極の」といった意味の言葉、「Thule」は中世の文学や地図に描かれた極北の地(島)のことであり、2つを合わせた「Ultima Thule」は「既知の世界の境界線を越えた、世界の果て」を表す。MU69の軌道は冥王星よりさらに16億km外側にあり、探査機が訪れる天体としては史上最遠であることから、実にふさわしい愛称といえるだろう。
「MU69は人類の次の『Ultima Thule』です。ニューホライズンズは、私たちが知っている世界の極限を越え、さらにその先にあるミッションの次の到達点を目指しています」(ニューホライズンズ主任研究員 Alan Sternさん)。
今回選ばれたのはあくまでも愛称だ。公式名は、ニューホライズンズがMU69をフライバイした後に、天体の特徴(単独星か、それとも実は複数の天体の集まりなのか)などに基づいてNASAとニューホライズンズチームから名称を管轄する国際天文学連合に提案される予定である。
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