AstroArts Topics

恒星・銀河

野辺山45m電波望遠鏡の電波地図から見えた星形成の現場

2020/03/30
国立天文台野辺山宇宙観測所の45m電波望遠鏡の広い視野を活かし、太陽系近傍の3つの星形成領域を世界最高級の解像度で描いた広域の電波地図が作成された。

太陽が2つある惑星の回り方

2020/03/27
これまでに行われた系外惑星の捜索では、2つの恒星からなる連星系の中でも惑星が見つかっているが、いずれも惑星の回転と恒星どうしの回転の軌道面が一致している。だがアルマ望遠鏡の観測結果によれば、恒星の間隔が離れた連星系では軌道がかなり傾いた惑星も生まれているようだ。

生まれたての巨大ガス惑星は落下の運命を避けられる

2020/03/25
木星やそれ以上に大きなガス惑星の形成を再現しようとすると、従来の理論では生まれてすぐに中心星へ落下してしまう。この問題を解決し、現実に太陽系外で発見されている巨大ガス惑星の質量や軌道を説明できるモデルが提唱された。

天の川銀河外縁部の分子雲衝突候補天体の距離を精密測定

2020/03/18
天の川銀河の外縁部に位置する星形成領域「IRAS 01123+6430」までの正確な距離が測定され、従来の見積もりより約7000光年遠いことが明らかにされた。

鉄の雨が降る惑星

2020/03/17
地球から640光年離れた系外惑星で、摂氏2400度に達する昼側の大気に蒸発した鉄が含まれることを示す観測データが得られた。1500度と比較的「涼しい」夜には鉄がなくなるので、昼から夜に切り替わる部分では鉄の蒸気が雨となって降り注いでいるようだ。

ほんの60年前にジェットを噴出して変身し始めた老齢の星

2020/03/10
アルマ望遠鏡による、老齢の星を含む連星系の観測で、星から噴き出すジェットとその周囲の物質の分布が描き出された。わずか60年ほど前に噴き出したジェットによって星周囲のガス雲の形状が変形している様子が、高解像度でとらえられている。

天の川銀河の歪みの原因は矮小銀河の衝突かもしれない

2020/03/09
位置天文衛星「ガイア」のデータ解析から、天の川銀河の円盤に見られる歪みは、過去に矮小銀河と衝突した痕跡である可能性が示された。

次第に加速する、M87から噴出するジェット

2020/03/09
楕円銀河M87の中心の超大質量ブラックホール近傍から噴出するジェットが加速する様子が、超高解像度の電波観測により明らかにされた。

新型宇宙線望遠鏡で極高エネルギー宇宙線の観測に成功

2020/03/06
京都大学などの研究グループが、宇宙空間で最大のエネルギーを持つ「極高エネルギー宇宙線」を新開発の望遠鏡で観測することに成功した。この極高エネルギー宇宙線を今後さらに広い範囲で定常観測し、その発生源を突き止めることが期待される。

ブラックホールからの最強のジェットで作られた銀河団内の空洞

2020/03/05
X線と電波による観測から、へびつかい座銀河団に巨大な空洞が存在していることが確認された。銀河団中心の銀河に潜む超大質量ブラックホールから噴出したジェットで形成されたとみられ、現象のエネルギー量はこれまでの記録より5倍も大きい。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

重力波望遠鏡「KAGRA」が観測開始

2020/03/03
2019年秋に完成した大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」が2月25日、重力波観測のための連続運転を開始した。

ソンブレロ銀河のハローには金属欠乏星がほとんどない

2020/03/02
ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、ソンブレロ銀河のハローには低金属星の割合が非常に小さい一方、金属の豊富な星の割合が予想以上に高いことが示された。典型的な渦巻銀河に見られるものとは異なる傾向だ。

オリオン座に潜む赤ちゃん星たちのポートレート

2020/02/28
オリオン座の星形成領域にある300個以上の原始星がアルマ望遠鏡などによって観測され、星を取り巻くガスと塵の円盤が高解像度でとらえられた。星や惑星の誕生メカニズムを研究するうえで重要な手がかりとなる。

予想以上に強い原始銀河団からの赤外線放射

2020/02/27
すばる望遠鏡と5機の赤外線天文衛星の観測データから、約120億年光年彼方の原始銀河団に見られる赤外線放射が予想よりも強いことが明らかになった。原始銀河団に激しく星形成を行う銀河や成長中の超大質量ブラックホールが潜んでいる可能性を示唆する結果である。

減光とともに形も変わったベテルギウス

2020/02/21
昨年末から暗くなっているベテルギウスの姿を撮影した最新画像が公開された。わずか11か月の間に星の表面の形が変化している様子がとらえられている。

矮小銀河のストロンチウムは4種の天体現象で作られる

2020/02/20
矮小銀河で観測されるストロンチウムのような重元素の組成を説明するには、少なくとも4種類の天体や現象が必要であることが、スーパーコンピューターを用いたシミュレーションで示された。

宇宙線電子加速の「はじめの一歩」のメカニズムを解明

2020/02/19
地球近傍の衝撃波のデータを用いた研究により、電子加速の新理論モデルが実証された。このモデルを超新星残骸衝撃波に適用することで、宇宙線電子加速の「はじめの一歩」のメカニズムが明らかになった。

直接撮像で迫る太陽系外巨大ガス惑星と褐色矮星の形成過程

2020/02/18
ケック望遠鏡とすばる望遠鏡による高解像度の直接撮像観測とモデル計算から、主星から遠い巨大ガス惑星と褐色矮星とが異なる軌道の特徴を示すことが明らかにされた。それぞれの形成過程の違いを反映している可能性がある。

宇宙に物質しかない理由を重力波で探る

2020/02/12
宇宙の物質と反物質の偏りを生んだ起源として提唱されている「右巻きニュートリノ」仮説を重力波観測で検証できるという理論が発表された。

宇宙の大規模構造の複雑な統計パターンを高速予言、人工知能ツール「ダークエミュレータ」

2020/02/12
宇宙の構造形成シミュレーションを元に構築された大規模なデータベースを学習した、人工知能フレームワーク「ダークエミュレータ」が開発された。任意の宇宙モデルにおける宇宙の大規模構造の観測量を正確かつ高速に予言でき、実観測データから宇宙の根源的な情報を素早く引き出すことが可能となる。