アイソン彗星の太陽最接近まであと1か月
【2013年10月29日 アストロアーツ】
11月29日の太陽最接近まであと1か月と迫ったアイソン彗星は、ゆっくりと増光中だ。11月初めには地球軌道の内側まで入りこんでくる。小口径の天体望遠鏡でも見えそうなので、明け方の東の空で眺めてみよう。
アイソン彗星の長い旅路の折り返し、近日点通過(太陽最接近)まであと1か月。アイソン彗星は地球軌道の内側に入りこみ、スピードを上げて太陽に近づきつつある。
地上からは未明から明け方の東の空で見やすい位置にあるが、接近にともなって日ごとの位置も大きく変わるようになる。11月6日ごろにはしし座からおとめ座に移り、11月18日のスピカとの大接近に向けておとめ座の中を大きく動いていく。
明るさは9等台後半で、観測にはまだしばらく天体望遠鏡が必要だろう。このまま増光が鈍い状態が続けば、11月半ばになってもまだ肉眼では見えず双眼鏡でとらえられる程度かもしれない。今後の成長に期待しよう。
撮影画像では、集光して輝く頭部を緑色のコマが取り囲み、明るい尾が伸びた姿がとらえられている。
10月30日、月齢24.8の月と並ぶ
10月30日、薄明の始まった東の空には、月齢24.8の細い月と赤く輝く火星が並んでいる。そこにアイソン彗星も仲間入りする。アイソン彗星が7倍双眼鏡(実視野7°)で見えたとしても、7°以上離れた月を含めて一度に見ることはできないが、火星との間隔は5.5°程なのでいっしょに見ることができるかもしれない。アイソン彗星の尾は火星に向かって伸びている。
11月13日 銀河NGC 4546と接近
11月13日には、おとめ座のγ星ポリマ(2.7等)から3°まで接近しているが、さらにそば、銀河NGC 4546と1°にまで大接近中でもある。
NGC 4546は平べったい楕円形で、明るさ10.3等、視直径3.5′とささやかな銀河なので、口径5cmの双眼鏡で見るのは難しい。口径8cm以上の双眼鏡や天体望遠鏡(40倍以下の低倍率)で見てみよう。増光したアイソン彗星とNGC 4546の光芒が見えるかもしれない。300mm以上の超望遠撮影で狙うのも面白そうだ。
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