土星の200倍、巨大な環を持つ系外惑星

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430光年彼方の系外惑星が、土星の200倍という巨大な環をまとっていることが明らかになった。さらにその中では地球に匹敵する大型衛星も作られつつあるかもしれないという。

【2015年1月27日 ロチェスター大学

2012年、ケンタウルス座の方向約430光年彼方の若い恒星J1407(1SWASP J140747.93-394542.6)に、土星のような環を持った惑星が見つかった。恒星の手前を惑星が通過する「トランジット現象」の観測データを調べたオランダとアメリカの研究チームが、2007年に57日間にわたって惑星の環によるとみられる複数回の減光が起こっていることをつきとめたのだ。

J1407bの巨大な環
J1407bの巨大な環(イメージ図提供:Ron Miller)

研究チームによる新たな解析から、この惑星J1407bの環の巨大さが明らかになってきた。J1407bは木星の10~40倍の質量と考えられ、30個以上も重なる環の全体の直径は約1億2000万kmにも及ぶ。これは太陽~金星の距離よりも大きく、土星の環の200倍という大きさだ。

「このJ1407bが土星と同じ位置にあったら、その環は月よりずっと大きく見えるでしょう」(オランダ・ライデン天文台のMatthew Kenworthyさん)。

恒星の光を大きく遮る環は分厚く大量の物質を含むと考えられる。さらに、土星の環のように明瞭で大きな隙間があることから、その部分では火星~地球程度の質量の大型衛星が作られているかもしれないという。太陽系外でこれほどの規模の衛星が作られつつあるようすがとらえられたのは初めてのことだ。今後数百万年で、この環はいくつかの衛星を生み出し、やがて消えていくとみられる。

太陽系の木星や土星が生まれたころ、その周囲には円盤があり、その中から衛星が生まれたと考えられている。このJ1407bはこれらの惑星の昔の姿を知る手がかりとなるだろう。

J1407bの公転周期は10年で、次回のトランジットは2017年に起こる。研究チームではアマチュアにもJ1407の観測を呼びかけ、さらに詳しくこの「スーパーサターン(土星の巨大版)」を探っていきたいとしている。

月と土星
土星の環がJ1407bの環と同じ大きさなら、月より大きく、望遠鏡いらずで見ることができる(「ステラナビゲータ」で惑星を拡大表示してシミュレーション)

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