火星の表面近くに液体の塩水の可能性

このエントリーをはてなブックマークに追加
火星には氷の形で水が存在することは知られてきたが、NASAの火星探査車「キュリオシティ」の探査から、表面に近いところに液体の塩水が存在する可能性が示唆された。

【2015年4月16日 NASAPhys.Org

キュリオシティが火星のゲール・クレーターに着陸したのは2012年8月。直径154kmのクレーターの中央にはマウント・シャープという山が存在しており、キュリオシティはその山を目指して2年半の間に10km以上の走行を続けてきた。その途上で、数多くの調査を行ってきている。

キュリオシティの環境観測システム「REMS」
キュリオシティの環境観測システム「REMS」(提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS)

大気の湿度や温度の測定データから、火星の大気中に含まれる水蒸気の一部が夜には霜となっていることがわかる。この霜が土壌中の過塩素酸カルシウムと反応すると、水の凍結温度が低くなる。結果的に水は凍らず、霜は非常に塩分の濃い水(塩水)となる。実際に塩水が検出されたわけではないが、過塩素酸カルシウムは火星のいたるところに見つかっているので、湿度変化とあわせて考えると火星の地表近くに塩水が存在する可能性はありうる。

「液体の水は生命に必要なものであり、火星探査のターゲットです。現在火星の表面は、微生物にとって決して好ましいとは言えませんが、塩水の存在の可能性は、生物の居住性と地質学的な水に関するプロセスにとって広い意味を持つと言えます」(スペイン高等科学研究院のJavier Martin-Torresさん)

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉

〈関連製品・商品〉