2008年
桜の花はせわしなく散ってしまうが、春の星座はゆっくりと移ろい、私たちに楽しむ時間をたっぷり与えてくれる。
北東の空に、ひしゃくの形をした北斗七星が、高く昇っている。取っ手のカーブを延長すると「春の大曲線」になり、反対側の先端を延ばすと北極星が見つかる便利な星の並びだが、巨大なおおぐま座の一部でもある。
天頂に目を向けると、黄色い土星と白い1等星レグルスが並んでいる。レグルスから「?」を裏返した形に星をつなげば、しし座の頭だ。
さらに南の空に注目すると、オレンジ色の2等星が1つだけ、ぽつりと輝いている。これはうみへび座の心臓、アルファルド。うみへび座は全天一大きくて長い星座で、頭はアルファルドのすぐ西側にあるのだが、しっぽの先端はずっと東の方。夜桜が楽しめる間は、まだ地面の下に隠れているはずだ。桜の花に比べて、何とのんびりしたことだろう。
冬の星座は、もう夕方の西の空でしか見られない。9日にはおうし座のプレアデス星団(すばる)に三日月が近づき、12日にはふたご座で輝く火星に上弦前の月が近づく。夕焼けとあいまって美しいが、冬のにぎやかな星々が見納めであることを実感させる光景でもある。あえて桜のイメージに重ねるとしたら、こちらの方がふさわしいかもしれない。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -0.9 | -2.2 | -1.5 |
視直径 | 5.1" | 5.0" | 5.4" |
星座 | うお | うお | おひつじ |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -3.9 | -3.9 | -3.9 |
視直径 | 10.3" | 10.1" | 9.9" |
星座 | うお | うお | うお |
現象 |
火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.9 | 1.1 |
視直径 | 6.8" | 6.0" |
星座 | ふたご | ふたご |
現象 |
|
木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.2 | -2.3 |
視直径 | 37.9" | 40.3" |
星座 | いて | いて |
現象 |
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土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.6 | 0.6 |
視直径 | 19.4" | 18.8" |
星座 | しし | しし |
現象 |
天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.9 | 7.9 |
視直径 | 3.3" | 2.2" |
星座 | みずがめ | やぎ |
現象 |