2008年
6月21日の夏至をはさんで、日没時間が午後7時、薄明終了時刻が午後9時近く、それから6時間もたたないうちに再び薄明が始まるという時期が続く。おまけに、列島各地が梅雨入りしてしまう。たまにしか空が見られないおかげで、春から夏への星座の移り変わりはとても急激に感じられる。
北斗七星は西の空に傾き始めている。その星の並びを南側へ延長すると、天頂付近にうしかい座のアルクトゥールス、南西の方向におとめ座のスピカが見つかる。アルクトゥールスはオレンジ色で明るいこともあり、夏になっても意外と目立ち続ける。一方、南東の空にはひとまわり暗いものの、真っ赤で印象的な1等星、さそり座のアンタレスが登場。こちらはアルクトゥールスよりもはるかに南寄りなので、見ごろと言える時期はかなり短い。
北東の空に目を向ければ、青白い1等星、こと座のベガが低い位置で輝いている。今見ごろをむかえている星座は、アルクトゥールスとベガの間にあるヘルクレス座とかんむり座、その南にあるへびつかい座とへび座、そしてさそり座とてんびん座といったところだろうか。これら春と夏の間の星座には明るい星が少ない上に、一番目立つ時期に梅雨で隠されてしまうおかげで印象が薄くなりがちだ。しかし、数多くの星雲や星団が存在しているので、天文ファンなら忘れてはいけない存在だろう。
春から夏にかけての幕間とさえ思えるこの時期。だが、13日に小惑星ジュノーがへびつかい座で、21日には準惑星の冥王星がいて座とへび座の境界付近で衝を迎える。どちらも容易に観測できる現象とは言えないが、たとえ雲のカーテンに隠されていようとも、星空の舞台が常に進行していることは忘れずにいたいものだ。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | 4.3 | 3.0 | 1.2 |
視直径 | 12.2" | 11.5" | 9.4" |
星座 | おうし | おうし | おうし |
現象 |
|
金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -3.9 | -3.9 | -3.9 |
視直径 | 9.6" | 9.6" | 9.7" |
星座 | おうし | おうし | ふたご |
現象 |
|
火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 1.5 | 1.6 |
視直径 | 4.9" | 4.5" |
星座 | かに | しし |
現象 |
木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.6 | -2.7 |
視直径 | 45.4" | 46.9" |
星座 | いて | いて |
現象 |
土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.8 | 0.9 |
視直径 | 17.5" | 16.9" |
星座 | しし | しし |
現象 |
天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.8 | 7.9 |
視直径 | 3.5" | 2.3" |
星座 | みずがめ | やぎ |
現象 |
|