2008年
季節は冬。日没とともに、おうし座のアルデバランとぎょしゃ座のカペラ、オリオン座のベテルギウスとリゲル、そして全天一明るい恒星・おおいぬ座のシリウスなど、1等星が次から次へと昇ってくるのはおなじみの光景だ。しかし、そんなきらびやかな東の空も、この冬ばかりは西の空で繰り広げられる光景には負けてしまうかもしれない。
西の主役は、やはり宵の明星・金星だ。その明るさはシリウスの10倍以上もある。上旬のうちは、これまたシリウスよりも明るい木星が接近している。1日には三日月も加わり、街中でも目に付くことだろう。
12月の天文現象と言えば、13日から14日にかけて極大をむかえるふたご座流星群。あいにく今年は放射点のすぐ近くで月が輝いているが、いつも堅実な出現数を見せてくれる流星群であるだけに、無視するわけにはいかない。さて、22日の宵にはこぐま座流星群が極大となる。こちらは平均出現数が少ないものの、ときおり突発的な出現を見せる流星群だ。しかも今年1月には母天体のテンペル彗星が通過したばかりなので、目がはなせない。
29日には超低空で水星と木星に月が接近して、昼には水星食もおこる。そして大みそかに最後の日没を迎えた空では、月と金星が再び接近。夜がふけたら、除夜の鐘をつくついでに南の低空でカノープスを探してみよう。日付が変われば、世界天文年のはじまりだ。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -0.8 | -0.7 | -0.7 |
視直径 | 4.7" | 4.9" | 5.5" |
星座 | へびつかい | いて | いて |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -4.1 | -4.2 | -4.3 |
視直径 | 17.0" | 18.3" | 19.9" |
星座 | いて | やぎ | やぎ |
現象 |
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火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 1.4 | 1.3 |
視直径 | 3.8" | 3.8" |
星座 | へびつかい | いて |
現象 |
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木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.0 | -1.9 |
視直径 | 33.7" | 32.8" |
星座 | いて | いて |
現象 |
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土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.9 | 0.9 |
視直径 | 17.5" | 18.2" |
星座 | しし | しし |
現象 |
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天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.8 | 8.0 |
視直径 | 3.5" | 2.2" |
星座 | みずがめ | やぎ |
現象 |
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