2008年 10月

日没後、夏の大三角も木星も西の空に沈む一方。夜がふけると、東の空に冬の明るい1等星が現れるようにさえなってきた。秋も本番、天候も安定して過ごしやすいので星空観望を存分に楽しみたい。

天頂付近にはペガスス座の秋の四辺形がある。そこから南の空の低い位置へ目を移すと、秋の星座で唯一の1等星、みなみのうお座のフォーマルハウトが輝いている。ペガスス座とみなみのうお座の間にはみずがめ座があるものの、夜空が暗いところでないと形をたどるのは難しいかもしれない。現在みずがめ座には天王星があるが、こちらは双眼鏡や望遠鏡がなければ見ることはできない。一方、みずがめ座の西隣に位置するやぎ座には、海王星がある。やはり望遠鏡が必須となるが、10日の夕方にはその海王星が月に隠されるという珍しい現象が起きる。

秋の四辺形の北には、Wの形が特徴的なカシオペヤ座が見えている。ペガスス座とカシオペヤ座の間にあるのが、M31銀河で有名なアンドロメダ座。双眼鏡があれば是非見ておきたい天体だ。

今月初旬は夕方の空に細い月が輝くが、高度を上げてきた宵の明星・金星と三日月の接近が2日に楽しめる。15日に満月となったあと、17日の夕方には東の空低くでプレアデス星団(すばる)を隠す。実際に星が隠れるようすを確認するのは難しいが、空高く昇ってから接近のようすを楽しむのもよい。

21日はオリオン座流星群の極大日。あいにく放射点のすぐ近くに月があるが、2006年に大出現を見せ、2007年も例年以上に活発だっただけに、要注目だ。

今月の星空10月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星10月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 4.4 1.0 -0.7
視直径 10.2" 8.6" 6.4"
星座 おとめ おとめ おとめ
現象

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -3.9 -4.0 -4.0
視直径 12.2" 12.7" 13.4"
星座 てんびん てんびん さそり
現象

火星

上旬 下旬
等級 1.6 1.5
視直径 3.8" 3.7"
星座 おとめ てんびん
現象
  • 26日 てんびん座αに接近
  • 31日 地球から最遠

木星

上旬 下旬
等級 -2.3 -2.2
視直径 39.2" 37.0"
星座 いて いて
現象
  • 9日 東矩

土星

上旬 下旬
等級 1.1 1.1
視直径 16.2" 16.5"
星座 しし しし
現象

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.7 7.9
視直径 3.6" 2.3"
星座 みずがめ やぎ
現象