2008年
正月の空は天頂に火星、南にシリウスと、紅白の明るい星が輝く。惑星である火星は、すでに地球への最接近を過ぎているので、望遠鏡で観察するなら上旬までがチャンス。それ以降は小さく、暗くなってしまう。一方、恒星のシリウスはいつまでも明るいままだが、日を追うごとに宵の空で早い時間から昇るようになる。もちろん、シリウスがオリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンと作る「冬の大三角形」の形は変わらない。
ところで、恒星の中にも明るさを変えてしまうものがある。その代表例がくじら座のミラだ。この時期は南西の空に見えているが、22日ごろに明るさが極大となる。前回は1.9等と記録的に明るい極大だったが、今回はどうなるだろう。
太陽系の小さな天体、彗星にも注目したい。まずは、27日に近日点を通過するタットル彗星(8P)。公転周期は13年だが、今回の回帰では比較的地球に近いところを通過するため、5日前後にうお座で5.5等程度まで明るくなる。2007年10月に異例の急増光を起こしたホームズ彗星(17P)も忘れてはいけない。こちらはペルセウス座にあって、依然6等以上の明るさを保っているはずだ。
最後になってしまったが、年始恒例の天文現象といえばしぶんぎ座流星群。ピークが鋭いことで知られるが、あいにく今年の極大予想は4日の昼ごろ。とはいえ、4日の未明は月が昇り始める午前3時まで好条件で観察できる。流星を見ながら、今年も天文界がにぎわうことを願いたい。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -0.8 | -0.8 | -0.2 |
視直径 | 5.1" | 5.8" | 7.5" |
星座 | いて | やぎ | やぎ |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -4.0 | -4.0 | -4.0 |
視直径 | 14.2" | 13.5" | 12.9" |
星座 | さそり | へびつかい | いて |
現象 |
火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -1.4 | -0.8 |
視直径 | 15.1" | 12.9" |
星座 | おうし | おうし |
現象 |
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木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -1.8 | -1.9 |
視直径 | 31.7" | 32.2" |
星座 | いて | いて |
現象 |
土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.5 | 0.5 |
視直径 | 19.1" | 19.6" |
星座 | しし | しし |
現象 |
天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.9 | 8.0 |
視直径 | 3.4" | 2.2" |
星座 | みずがめ | やぎ |
現象 |
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