2009年
冬の寒さがピークに達するこの時期は、宵の空がもっともにぎやかな時期でもある。日が沈むと、空が暗くなるのを待ちきれないかのように、全天一明るい恒星・おおいぬ座のシリウスや、オリオン座のベテルギウスとリゲルなど冬の1等星が南東の空で輝きはじめる。
もちろん、西の空で輝く宵の明星・金星も忘れるわけにはいかない。20日に最大光度を迎える金星は、空が暗くなるなる前どころか、昼間のうちでさえ見つけることもできるほどだ。だが、その宵の明星も3月に入ると急激に高度を下げてしまう。28日に三日月と接近するのが、最後の見せ場となりそうだ。
さて、東の空では冬の星座のふたご座やこいぬ座も高く昇っているが、その下からはかに座を先頭に春の星座も姿を見せている。今月は冬から春への変わり目でもあるのだ。下旬にはルーリン彗星が地球に接近し、春の夜空を代表するおとめ座としし座の中を移動するようすに注目が集まるだろう。
このほか、9日に半影月食が見られる。半影月食をふつうの満月と区別するのは困難だが、今回は月が地球の半影にかなり深く入りこむため、注意深く観察すれば端と端で明るさの違いがわかるかもしれない。明け方の空では、14日に西方最大離角となる水星、火星、木星が集合している。さらに、23日の夜明け前には月による水星食、朝には木星食が起きる。たいへん珍しい現象だが、観察には双眼鏡が必要だ。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | 0.3 | 0.0 | -0.1 |
視直径 | 8.1" | 6.7" | 5.9" |
星座 | いて | やぎ | やぎ |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -4.5 | -4.6 | -4.6 |
視直径 | 31.5" | 36.4" | 42.4" |
星座 | うお | うお | うお |
現象 |
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火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 1.3 | 1.2 |
視直径 | 4.0" | 4.1" |
星座 | やぎ | やぎ |
現象 |
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木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -1.9 | -2.0 |
視直径 | 32.4" | 32.9" |
星座 | やぎ | やぎ |
現象 |
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土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.8 | 0.8 |
視直径 | 19.4" | 19.7" |
星座 | しし | しし |
現象 |
天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.9 | 8.0 |
視直径 | 3.3" | 2.2" |
星座 | みずがめ | やぎ |
現象 |
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