2009年 6月

貴重な梅雨の晴れ間に、長かった昼が終えてようやく薄明が終わるころ、天頂でオレンジ色の星がひときわ明るく輝いている。うしかい座の1等星アルクトゥールスだ。

アルクトゥールスの北側には北斗七星がある。ひしゃくの取っ手をアルクトゥールスへのばしてさらに南へ目を移すと、おとめ座の白い1等星スピカが見つかる。さらに、アルクトゥールスの西側には地平線へ飛び込むかのような格好となったしし座が見えている。足もとで輝く土星は、観望シーズンの終わりも近い。環が細くなった姿を今のうちに確認しよう。最後に、アルクトゥールスの東側にはへび座やヘルクレス座など、夏の星座の先がけが早くも登場している。

土星以外の惑星が深夜から明け方の空に集まっているので、今月の天文現象は夜明け前に見られるものばかり。夏至の前後だけに日の出も早い時期だが、早起きして楽しもう。

上旬は5月27日に大接近したばかりの木星と海王星を探してみよう。望遠鏡の低倍率程度で同一視野に収まる時期はしばらく続く。また、6日に金星、13日に水星が西方最大離角となり、観望好期だ。高度は最大離角の割にあまり高くないので、東の空が開けたところで観察したい。

中旬から下旬にかけて、金星と火星が接近。20日には金星と火星の並びに細い月が並ぶようすも見られる。翌21日には、月がプレアデス星団に接近。食を終えた直後でかなり近づいているので、双眼鏡で観察してみよう。

今月の星空6月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星6月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 1.4 0.4 -0.5
視直径 9.9" 7.9" 6.3"
星座 おうし おうし おうし
現象

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -4.3 -4.3 -4.2
視直径 24.0" 21.5" 19.5"
星座 うお おひつじ おひつじ
現象

火星

上旬 下旬
等級 1.1 1.1
視直径 4.7" 4.9"
星座 おひつじ おひつじ
現象

木星

上旬 下旬
等級 -2.5 -2.6
視直径 42.3" 44.9"
星座 やぎ やぎ
現象
  • 2日 衛星ガニメデがエウロパをかくす
  • 7日 衛星エウロパがイオをかくす
  • 14日 衛星エウロパがイオをかくす
  • 16日 留
  • 26日 衛星イオがエウロパをかくす
  • 30日 衛星ガニメデの影にカリストが入る

土星

上旬 下旬
等級 1.0 1.1
視直径 17.7" 17.1"
星座 しし しし
現象
  • 8日 衛星タイタンが土星の影から出現
  • 9日 東矩
  • 21日 衛星テチスの影にエンケラドスが入る
  • 24日 衛星タイタンが土星の影から出現

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.8 7.9
視直径 3.5" 2.3"
星座 うお やぎ
現象
  • 18日 天王星が西矩