2009年 10月

日増しに早くなる夕暮れが、秋の深まりを感じさせる。10月3日は中秋の名月。空気が乾燥し、透明度の高くなった空に月の光がさえる。

天頂で輝いていた夏の大三角は西へ傾き、代わって秋の四辺形が登場する。四辺形を構成する星のうち3つはペガスス座のもの。残る1つの2等星アルフェラッツも「馬のへそ」を意味するが、実はアンドロメダ座の星だ。アンドロメダ座はアルフェラッツを起点に北東へ延びていて、途中にはアンドロメダ座大銀河もある。すぐ北に位置するカシオペヤ座は、Wの形が見つけやすい。

南天では木星が引き続き主役を務める。例年なら「秋の一つ星」みなみのうお座のフォーマルハウトが孤独に光っているが、木星があまりに明るいためほとんど目立たないかもしれない。その木星も夜半過ぎには西へ沈んでいくが、今度は東から昇る冬の星座が主役だ。21日にはオリオン座流星群との競演が楽しめる

明け方の空には惑星が集まっている。6日に水星が西方最大離角となり、8日には土星とすれ違う。13日から14日にかけては金星と土星が近づく。いずれの接近も、望遠鏡の低倍率で同じ視野に入るほどだ。

さて、月末には夜もずいぶん寒くなってくるが、30日の「後の名月」をお忘れなく。2つとも見るのが、正しいお月見だそうだ。

今月の星空10月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星10月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 -0.3 -1.0 -1.1
視直径 7.2" 5.6" 4.9"
星座 おとめ おとめ おとめ
現象

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -3.9 -3.9 -3.9
視直径 11.1" 10.8" 10.6"
星座 しし おとめ おとめ
現象

火星

上旬 下旬
等級 0.7 0.5
視直径 6.8" 7.6"
星座 ふたご かに
現象

木星

上旬 下旬
等級 -2.6 -2.5
視直径 44.9" 42.2"
星座 やぎ やぎ
現象
  • 2日 衛星ガニメデがエウロパをかくす
  • 13日 留
  • 14日 衛星イオがエウロパをかくす
  • 14日 衛星イオの影にエウロパが入る
  • 19日 衛星エウロパがガニメデをかくす
  • 21日 衛星イオがエウロパをかくす

土星

上旬 下旬
等級 1.2 1.1
視直径 15.9" 16.1"
星座 おとめ おとめ
現象

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.7 7.9
視直径 3.6" 2.3"
星座 みずがめ やぎ
現象